研究概要 |
1)AQP5が核膜で輸送する水以外の物質の解明-調製したAQP5が核膜に凝集した核、核膜にほとんど無局在核の外液ヘ蛍光又は3H-標識のアデニン、アデノシン、アデニル酸、ウラシル、ウリジン、ウリジル酸、5-フルオロウラシル等を加え低張に保ち、核内の標識化合物の量を測定した。反対に核外溶液を高張にして外液のmRNA,tRNA, UsnRNA,rRNA,pre-miRNA, miRNA量を測定した。ヌクレオポリンの阻害薬・レプトマイシンBの存在下でも測定し、既知のヌクレオポリンによる輸送影響を除外して検討した。さらに、上述標的物質のみならず、AQP5が輸送する更に多くの物質を探索するため、核外液や核ホモジートを二次元電気得移動にかけ、各種抗体を用いて解析した。核内取り込まれる物質は比較的容易だが、核外へ分泌される物質の同定に難攻している。 2)AQP5が核膜上の脂質・ラフトで機能を発揮するのか、 ノンラフトで機能を発揮するのかの解明-ラフトを崩壊させる薬物・Methyl-cyclodextrin, Filipinを核外溶液に添加して1)と同様の実験を行い、ラフト崩壊薬の存在下でも同様の結果がでるか検討した。一方、ラフト崩壊薬で処理した核を2)の方法で免疫染色し、共焦点顕微鏡から解析した。ラフト上で機能していた。 3)AQP5の核移行機序への低分子量GTPase Rab, Ran関与の解明、定常置へ誘導する因子の検索、移動に関与する細胞内情報伝達系の解明-セビメリンを投与した野生型ラットより経時的に唾液腺を摘出し、管腔膜、細胞質、核膜、核質に分画する。各画分のAQP5を免疫沈降法により回収し、SDS-PAGEと各種抗体を用いたウェスタンブロッティング法からAQP5と複合体を形成している分子を解析し、刺激に応答してAQP5を細胞内の各定常置へ誘導する因子と細胞内情報伝達系を検討した。
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