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2011 年度 実施状況報告書

口腔粘膜のびらん潰瘍病変におけるTh17分化誘導機構とオ-トファジ-の関与

研究課題

研究課題/領域番号 23592758
研究機関東北大学

研究代表者

菅原 由美子  東北大学, 大学病院, 助教 (30235866)

研究分担者 酒井 梓  東北大学, 大学病院, 医員 (90463778)
佐藤 恭子  東北大学, 大学病院, 医員 (80547266)
菅原 俊二  東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10241639)
笹野 高嗣  東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10125560)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードヒト唾液腺上皮細胞株 / ATP / P2X7受容体 / MHC classII / オートファジー
研究概要

【結果】ヒト唾液腺上皮細胞株をATPで刺激すると、細胞膜表面にMHC class IIの発現が認められた。細胞質内の解析では、無刺激の状態でも細胞質内に恒常的にMHC class IIが発現していることが確認されたが、ATP刺激による発現量に変化はなかった。また、MHC class II転写調節因子CIITAの発現量についてもATP刺激による増加は認められなかった。HSGではP2X7受容体が存在しており、P2X7受容体アゴニストであるBzATP刺激により、細胞膜表面でのMHC class IIの発現が誘導され、アンタゴニストであるoATP刺激により、ATPによるMHC class IIの発現が抑制された。さらに、ATP刺激により、細胞内でのオートファゴソームの形成の促進がみられ、MHC class II分子を内包したexosomeの放出が認められた。このexosomeはオートファジーのマーカーであるLC3-IIを発現していた。【結論】以上の結果から、ヒト唾液腺上皮細胞株は細胞内にMHC class II分子を恒常的に発現しており、細胞外ATP刺激によりP2X7受容体を介して、MHC class II分子を細胞膜表面へ表出させると同時に、オートファゴソームに関連したexosomeに内包された形で細胞外に放出する可能性が示された。これより、細胞外ATPは末梢性トレランスの破綻を誘導し、シェーグレン症候群発症に関与するという新たな可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を用いて、オートファジーおよびIL-17の解析を行う予定であったが、震災により対象試料全てが損失したため、本年度は培養細胞を対象とした検索のみであった。したがって、研究目的の達成度として当初目的の50%と考えている。

今後の研究の推進方策

現在、口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を集めている途上である。この組織試料を用いてオートファジーおよびIL-17の解析を進めていく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初計画していた口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を用いて、オートファジーおよびIL-17の解析を次年度に延期することにより生じたものであり、延期したオートファジーおよびIL-17の解析に必要な経費として平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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