• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

口腔粘膜のびらん潰瘍病変におけるTh17分化誘導機構とオ-トファジ-の関与

研究課題

研究課題/領域番号 23592758
研究機関東北大学

研究代表者

菅原 由美子  東北大学, 大学病院, 助教 (30235866)

研究分担者 酒井 梓  東北大学, 大学病院, 医員 (90463778)
佐藤 恭子  東北大学, 歯学研究科(研究院), 非常勤講師 (80547266)
菅原 俊二  東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10241639)
笹野 高嗣  東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10125560)
キーワード唾液腺培養上皮株 / オートファジー / P2X7受容体 / MHC classII / ATP
研究概要

【結果】ヒト唾液腺上皮細胞株をATPで刺激すると、細胞膜表面にMHC class IIの発現が認められた。細胞質内の解析では、無刺激の状態でも細胞質内に恒常的にMHC class IIが発現していることが確認されたが、ATP刺激による発現量に変化はなかった。また、MHC c
lass II転写調節因子CIITAの発現量についてもATP刺激による増加は認められなかった。HSGではP2X7受容体が存在しており、P2X7受容体アゴニストであるBzATP刺激により、細胞膜表面でのMHC class IIの発現が誘導され、アンタゴニストであるoATP刺激により、ATPによるMHC class IIの発現が抑制された。さらに、ATP刺激により、細胞内でのオートファゴソームの形成の促進がみられ、MHC class II分子を内包したexosomeの放出が認められた。このexosomeはオートファジーのマーカーであるLC3-IIを発現していた。
【結論】以上の結果から、ヒト唾液腺上皮細胞株は細胞内にMHC class II分子を恒常的に発現しており、細胞外ATP刺激によりP2X7受容体を介して、MHC class II分子を細胞膜表面へ表出させると同時に、オートファゴソームに関連したexosomeに内包された形で細胞
外に放出する可能性が示された。これより、細胞外ATPは末梢性トレランスの破綻を誘導し、シェーグレン症候群発症に関与するという新たな可能性が示唆された。
(

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を用いて、オートファジーおよびIL-17の解析を行う予定であったが震災により対象試料全てが損失したが、本年度は組織試料の収集ができ組織での検索を進めている。研究目的の達成度として当初目的の60%と考えている。

今後の研究の推進方策

現在、口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を集めている途上である。この組織試料を用いてオートファジーおよびIL-17の解析を
進めていく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初計画していた口腔粘膜のびらん・潰瘍病変の組織試料を用いて、オートファジーおよびIL-17の解析を次年度に引き続き進めていくことにより生じたものであり、オートファジーおよびIL-17の解析に必要な経費として平成25年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 菅原由美子、熊本裕行、笹野高嗣2013

    • 著者名/発表者名
      下唇小唾液腺生検にてシェーグレン症候群とサルコイドーシスの所見がみられた1例
    • 学会等名
      第67回日本口腔科学会
    • 発表場所
      宇都宮
    • 年月日
      20130522-20130524
  • [学会発表] 本邦における口腔扁平苔癬の多施設調査2012

    • 著者名/発表者名
      小宮山一雄、朔敬、長谷川博雅、前田初彦、田中昭男、菅原由美子、他
    • 学会等名
      第22回日本歯科医学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20121109-20121111
  • [学会発表] 口腔扁平苔癬に関する2学会共同調査研究の経過報告2012

    • 著者名/発表者名
      小宮山一雄、伊東大典、神部芳則、菅原由美子、中村誠司、藤林孝司、他
    • 学会等名
      第25回日本口腔診断学会・第22回日本口腔内科学会合同大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120921-20120922
  • [学会発表] 口腔扁平苔癬に関する2学会共同調査研究の経過報告2012

    • 著者名/発表者名
      小宮山一雄、朔敬、長谷川博雅、前田初彦、田中昭男、菅原由美子、他
    • 学会等名
      第23回日本臨床口腔病理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120829-20120831

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi