研究課題/領域番号 |
23592772
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐々木 美穂 長崎大学, 大学病院, 助教 (10437874)
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研究分担者 |
中村 卓 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30172406)
角 美佐 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90284702)
木村 泰男 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30253686)
榮田 智 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80325662)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | MRI / 拡散強調撮像 / 灌流 / 拡散 |
研究概要 |
平成23年度は、唾液腺の灌流・拡散MR撮像法の決定を研究の主目的とし、以下の(1)から(5)の検討を行った。 (1) b valueの決定:拡散強調撮像シークエンスで、設定するb valueの値や数を変化させ、どのb valueの組み合わせが最もデータの再現性や安定性が良いか調べた。その結果、0、10、20、30、50、80、100、200、300、400、800と11b valueを用いたとき、b valueと信号強度の対数との間に良好な相関性が得られた。(2)撮像時間短縮についての検討:高速撮像法であるシングルショット SE-EPI法を用い、撮像数5断面、加算回数1、TR=300 ms、TE=81 ms、に設定した場合、一検査当りの撮像時間は8.4秒となり、当初計画していた10秒以下とする事が出来た。(3)信号/ノイズ比の低減についての検討:受信コイルについては、高精細な撮像が可能である表面コイルのSense flex S coilを用い、SENSE法を用いる事で、ノイズの少ない良好な画像が得られた。(4)顎位の保定法について:検査中の被検者の頭部固定については、MR固定具の砂袋を用いた。また味覚刺激用としては造影MR用延長注入ラインにプラスティックシリンジを連結し、歯科治療用バイトブロックを介して被検者の口元に固定する方法を考案した。 上記の方法を用いて、5名の健常ボランティアのMR撮像を行った。得られたデータの解析は、パーソナルコンピュータを用いて、Lebenberg-Marquardtアルゴリズムを応用した二重指数関数による近似を行い、拡散と灌流に関する係数、灌流のフラクションを求める事ができた。以上の検討により、23年度の目的であった唾液腺の灌流・拡散MR撮像法を決定する事ができた。今回確立された方法は臨床応用も可能な方法であり、非常に有用な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的に沿った研究成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、当初の計画に沿って、灌流・拡散障害の3大唾液腺間での相違や、口腔乾燥症治療薬剤に対する反応の灌流・拡散イメージングによる解析についての検討を行い、MR灌流・拡散イメージングによる唾液腺機能評価法の確立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、大量のデータ解析・保存が必要となるため、パーソナルコンピュータやデータ保存装置、ソフトウェアが必要となる。またMR撮像に関連する消耗品も必要である。更に調査研究、学会発表、論文投稿に関する費用も必要である。
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