研究課題/領域番号 |
23592774
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
犬童 寛子 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00301391)
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研究分担者 |
富田 和男 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60347094)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60165701)
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キーワード | オートファジー |
研究概要 |
我々はこれまで、ヒト神経芽細胞腫であるSK-N-SH細胞を用い、「宇宙放射線と微小重力の哺乳類細胞への影響(NeuroRad)というテーマで宇宙実験を行った。この細胞は宇宙放射線をあび、放射線抵抗性が高くなっている可能性が考えられ、放射線抵抗性獲得の有無、その機序を解明する。 平成23年度で宇宙細胞では、明らかな細胞増殖速度の増大、活性酸素発生の増大および、ミトコンドリア局在MnSODの増大が認められた。次に、照射後の細胞において、アポトーシスには変化が認められず、オートファジーの減少が認められることが明らかとなった。これらの結果からMnSOD 活性とオートファジーとの関連性が浮かび上がってきた。従って、H24年度では、オートファジー関連遺伝子発現について検討した。 コントロール細胞と宇宙細胞を用い、オートファジー関連遺伝子Bcl-2の発現について、はコントロール細胞に比べて宇宙細胞では明らかに発現は増大していたが、Beclin1の発現についてはほとんど差が見られなかった。またびSurvivinの発現についても有為な差が認められなかった。24年度では活性酸素消去酵素であるMnSOD遺伝子およびその発現を抑えるsiRNAを作成しトランスフェクトして、MnSOD 活性とオートファジーとの関連性を検討する予定であったが、トランスフェクションがうまくいかず、ステーブルクローンを作成することができず、現在作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MnSOD遺伝子およびその発現を抑えるsiRNAを作成しトランスフェクトして、MnSOD 活性とオートファジーとの関連性を検討する予定であったが、トランスフェクションがうまくいかず、ステーブルクローンを作成することができず、研究の進行がやや遅れている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
survivinのオートファジー抑制効果がないようなので、25年度はオートファジー関連遺伝子Beclin1とアポトーシス抑制タンパク質Bcl-2の相互作用について検討する。 1)オートファジー関連遺伝子であるbeclin 1に結合するBcl-2のcDNAを過剰発現する細胞株をG418 selectionにより確立する。(24年度にMnSODのsiRNAを作成し、トランスフェクトしたが、うまくいかなかったので、過剰発現株を作成することにした)細胞に beclin 1、Bcl-2遺伝子をトランスフェクトする。発現量についてRT-PCRおよびウエスタンブロットにて確認する。2)1)で確立した細胞を用い、オートファジーを誘導するラパマイシンで処理し、Bcl-2で免疫沈降を行い、それぞれ Beclin1の抗体、survivinの抗体を用いてウエスタンブロティングを行い、それぞれのタンパクの相互作用について調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養を行うための培地および血清、培養のための器具等の消耗品、トランスフェクション用試薬・消耗品、オートファジー検出用 試薬、ウエスタンブロット用抗体類、分子生物学的実 験用消耗品一式は本研究を行うのに必須である。 また国内外での研究成果発表を行うのに旅費が必要である。
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