研究課題/領域番号 |
23592775
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岩下 洋一朗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70168566)
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研究分担者 |
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60165701)
佐藤 強志 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60098978)
河野 一典 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50108750)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 3次元画像 / 画像処理エンジン / 重ね合わせ / DICOM / VTK |
研究概要 |
医用3次元画像の重ね合わせのため、各画像ファイルを直接読み込み可能で、各画像の3次元表示、さらに重ね合わせて表示することを可能にするシステムについて、以下の項目について検討した。1)画像解析処理速度の劇的な向上を目的として、3次元画像処理エンジンおよび画像解析用コンピュータを導入した。3次元画像処理エンジンはテラリコン社のVolumePro1000を導入し、画像処理速度の改善効果を評価した。比較条件を同じにするため、ソフトウエアをVTKライブラリを使用しているOsiriXを用い、DICOM3次元画像を読み込み、Volume Renderingで表示するまでの時間をこれまでの2.6GHz 2-Core Xeon CPUシステムとVolumePro1000を使用したシステムを比較した。その結果、480枚スライス画像のVolume Rendering速度を比較して、読み込み、表示されるまでの時間に1.95倍の改善が見られた。さらに新たに導入した画像解析用コンピュータ2.9GHz 6-Core Xeon CPUシステムでは2.3倍の改善が見られた。2)3次元画像解析ライブラリVTKを導入することにより、DICOM画像を読み込み、表示させ、また3次元画像をVolume Renderingにより表示させる事が出来た。現在、これらを組み合わせてVTKを用いた重ね合わせ表示のためのソフトウエアを開発中である。さらに、重ね合わせ誤差の評価を行っていく。本研究は、今後の画像診断で、PETとCTのような形態画像と機能画像を同時に描出させることにより診断能の向上のために有用であり、今後のコンピュータ支援診断の為に重要であると考えられる。特に頭頚部領域について検討を行うことにより頭頚部・顎顔面領域の腫瘍の診断に有用であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像処理エンジン導入により3次元画像処理速度に1.95倍、画像解析コンピュータの新たな導入により、2.3倍の劇的な改善が見られた。また、3次元画像解析ライブラリVTKを導入して、DICOM画像を読み込み表示させ、また3次元画像をVolume Renderingにより表示させる事が出来たため、おおむね順調に進展していると評価した。現在、これらを組み合わせてVTKを用いた重ね合わせ表示のためのソフトウエアを開発中である。さらに、重ね合わせ誤差の評価を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
現在の3次元画像処理システムを改良していくことにより、3次元画像の重ね合わせ画像表示をより高速にし、重ね合わせ画像により新たに得られる診断情報の評価を行っていく。また、ファントムを購入、作製することにより異なる3次元画像の重ね合わせ誤差を評価していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
開発した医用3次元画像の重ね合わせ画像の表示により、新たに得られる診断情報について評価する。それらの画像データの保存のため、保存用ディスク、記録用専用用紙等を購入する予定である。また、異なる医用3次元画像の重ね合わせの誤差が計測できるファントムを、購入して加工製作する予定である。
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