研究課題
平成25年度は、口腔扁平上皮癌細胞に対するロタウイルスの感染が成立するという昨年度までの研究結果を踏まえて、ロタウイルスの感染を抑制する因子についてさらに検索した。従来から、interferon (IFN)がウイルス感染に対して極めて重要な機能を担っていることが報告されているが、申請者はtype III IFNの抗ウイルス活性に関して検索するとともに、電解酸性機能水(functional water; FW)のロタウイルス感染抑制効果についても検討した。type III IFNの効果に関してはtype I IFNとの比較を行ったが、結果としてtype III IFNはtype I IFNと比較して、抗ウイルス活性が弱いという結果を得た。また、腸管上皮細胞を用いた実験では、ロタウイルス感染後に産生される量としてはtype III IFNのほうがより大量であるが、産生は一過性であるのに対し、type I IFNは継続的に産生されることが判明した。また、type III IFN産生に至るシグナル伝達系に関して検索した結果、NF-kappaBに深く依存していることが分かった。FWの抗ウイルス活性に関しては新生児マウスの腸管を用いたex vivo実験を行った。その結果、腸管組織を3分間FWで処理することにより、ロタウイルスの感染を高度に抑制しうることが分かった。このことは、FWをロタウイルス感染抑制に臨床応用しうる可能性を示唆したものであり極めて興味深い。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
PLOS one
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