研究課題
以前申請者らが行った研究で,β-アドレナージック刺激後,アクアポリン5はEPI64と同様に挙動することが認められていたので,ERMタンパク質との共存性を調べた。正常マウスにおいて,ERMタンパク質の中でezrinのみが腺房細胞の先端膜に存在しており,その局在性はアクアポリン5と一致していた。糖尿病発病NODマウス耳下腺腺房細胞においてもezrinはアクアポリン5と一致した局在性を示し,両者は基底膜にも広く分布していた。すなわち,アクアポリン5はezrinと共局在し,糖尿病NODマウスでは共に局在性が変化することがわかった。現在,投稿準備中である。関与する可能性のある輸送タンパク質として,cDNAマイクロアレイ解析からrab6bに焦点をあてた。まず正常マウス耳下腺腺房細胞におけるrab6bの分布を調べた。rab6bは主に低密度の小胞画分に存在していたが,他の複数の画分にも検出された。一方,アクアポリン5は形質膜以外にこの低密度の小胞画分にも検出された。しかし,免疫組織染色像で,アクアポリン5とrab6bの局在は現在まで得られた結果では必ずしも一致せず,さらなる検討が必要である。また,糖尿病NODマウスにおいて,多くのユビキチン化関連タンパク質の遺伝子発現が減少していたことから,病態とユビキチン化との関係が予想された。そこで,マウス耳下腺ホモジネートの二次元電気泳動後,アクアポリン5抗体を用いたWestern blottingを行い,修飾されたアクアポリン5の出現を調べた。25KDaにおいて,pI 8.81に未修飾のアクアポリン5のバンドが検出され,他にpI7.0およびpI6.0に薄いバンドが検出された。これらのバンドの上方に48KDaのバンドがそれぞれ検出され,これらはリン酸化とユビキチン化によると考えられた。現在,これらのパターンについて病態との比較を行っている。
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Arch Biochem Biophys
巻: 536 ページ: 31~37
10.1016/j.abb.2013.05.002.
巻: 538 ページ: 1~5
10.1016/j.abb.2013.08.001.