研究課題/領域番号 |
23592785
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60232063)
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研究分担者 |
木瀬 祥貴 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (30513197)
有地 榮一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00150459)
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キーワード | 生体機能利用 / リハビリテーション / 超音波 / 咀嚼筋 / 組織弾性 |
研究概要 |
本研究プロジェクトは、超音波elastographyを用いて咀嚼筋痛を有する顎関節症患者の咀嚼筋の形態・内部性状・血流動態・硬度情報を評価し、それらの値を基にして咀嚼筋痛の治療法の選択・治療効果を予測しうる定量的画像診断法の確立をめざすものである。当該年度では超音波elastographyを用いて咬筋の持続噛締めによる変化や筋マッサージ治療後の変化を評価し、超音波elastographyによる画像診断の指標となりうる値を明らかにする。 健常ボランティアに持続噛締めの実験を行い、咬筋全体の硬度、軟・硬領域の面積比、筋厚みの変化を評価した。その結果、軟領域の面積比は持続噛締めによる咬筋の浮腫の状態とよく相関し、MRI所見ともよく合致し、硬領域の面積比は咬筋硬度をよく表していた。これらの値は咬筋の性状を把握する上で有用な指標となりうることを明らかにした。 前年度に引き続いて、咀嚼筋痛を有する患者に対しオーラルリハビリテーションロボットによる筋マッサージ治療施行の同意を得て、治療プロトコールに従い筋マッサージ治療を施行するとともに、筋マッサージ前後において咀嚼筋の超音波elastographyの撮像を行い、咬筋の浮腫・硬度・筋厚み・筋内部エコーの変化の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究の目的は、咬筋の持続噛締めや筋マッサージ治療後における咬筋の変化を表示しうる超音波elastographyの指標を探ることである。前者に関して、健常ボランティアに持続噛締めの実験を行い、咬筋全体の硬度、軟・硬領域の面積比、筋厚みの変化を評価し、軟・硬領域の面積比はそれぞれ咬筋の浮腫および筋硬度をよく表しており、咬筋の性状を把握する上で有用となりうる指標の獲得は達成できた。後者に関しては、咀嚼筋痛を有する患者に対しオーラルリハビリテーションロボットによる筋マッサージ治療を施行し、データ収集を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
咀嚼筋痛を有する患者に対しオーラルリハビリテーションロボットによる筋マッサージ治療施行の同意を得て、治療プロトコールに従い筋マッサージ治療を施行する。患者の咀嚼筋痛・開口制限・関節音・日常生活支障の程度を記録する。筋マッサージ前後において咀嚼筋の超音波elastographyの撮像を行い、咬筋全体の硬度、軟・硬領域の面積比、筋厚み、筋内部エコーの変化を記録する。臨床症状、超音波elastographyの指標とマッサージ治療効果との関連を検討し,治療効果を予測しうる定量的画像診断法の確立をめざす。
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次年度の研究費の使用計画 |
咀嚼筋の状態や慢性疼痛のしくみを検討するために、MR装置を借用してMR検査を施行する。超音波elastographyの硬度の正確性を確認するために筋腱構造模擬ファントムを購入し実験を行う。データ解析にパソコンを要する。研究補助および統計処理に関する専門知識の提供を必要とする。国内外の関連学会で発表する。また関連施設で研究打合せを行う。研究成果を投稿する。
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