研究課題/領域番号 |
23592789
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅谷 勉 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10211301)
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研究分担者 |
天雲 太一 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 専門研究員 (80451425)
中塚 愛 北海道大学, 大学病院, 医員 (00547648)
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キーワード | 4-META/MMA-TBBレジン / 炭酸カルシウム / αTCP / 骨形成 / 骨接触 / 骨髄 / ハイブリッド / ナノハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
4-META/MMA-TBBレジンを直径1mm、長さ5mmの円柱形に硬化させ、10週齢ラットの大腿骨を穿孔、次の3条件で埋植を行った。骨髄液中硬化群:試料表面に4-META/MMA-TBBレジンを塗布し、直ちに埋植。空気中硬化群:試料表面にスーパーボンドを塗布し、24時間空気中で硬化後に埋植。空気遮断硬化群:試料をそのまま埋植。術後2、8週後、光学顕微鏡下で骨形成率、骨接触率を計測した結果、試料と骨の接触率は骨髄液中硬化群が他の2群に比較して有意に高かった。同じ3つの条件下で4-META/MMA-TBBレジンを10分間骨髄液に浸漬し、その後20分間超音波洗浄してSEM観察した結果、骨髄液中硬化群の試料表面に厚さ2~3μmの層がみられ、FT-IR分析結果からレジン表面に骨髄液成分がハイブリッドして骨との接触率が向上したと考えられた。 4-META/MMA-TBBレジンにαTCP、炭酸カルシウムを0、40、60%の濃度で添加し、直径1mm、長さ5mmの円柱形試料表面に塗布して、直ちにラット大腿骨の骨髄腔に埋植した。術後2、8週で脱灰薄切標本を作製してH-E染色し、光学顕微鏡下で観察した結果、αTCP、炭酸カルシウムともに、濃度が高くなるにしたがって試料表面への骨形成や骨との接触率が高くなる傾向がみられた。αTCPと炭酸カルシウムは同様の効果であった。 ナノハイドロキシアパタイト複合化コラーゲン膜とコラーゲン膜を4-META/MMA-TBBレジンに接着して骨髄腔に移植し、膜吸収後のレジンと骨との接触状態を光学顕微鏡で評価した結果、いずれも試料と骨が直接接している部分が観察され、いずれの膜も吸収されて骨と置換した後に、骨とレジンとが結合することが可能と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
炭酸カルシウムとαTCPの至適濃度が解明され、前年度の結果からBMP濃度がすでに決定しており、これを組み合わせてすでに実験が始まっていることから、H24年度の目標はほぼ達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
炭酸カルシウム複合化4-META/MMA-TBBレジンにコラーゲン膜をハイブリッドさせ、BMPを含浸、ラット結合組織と犬の歯根に移植を行っており、病理組織学的に評価を行いながら例数を増やし、組織計測を行って研究成果をまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験による病理組織学的評価を行うため、実験動物や薬品類、ガラス器具やプラスチック器具類を主体とし、さらに学会発表や論文投稿に研究費を使用する予定である。平成24年度未使用額は1,630円と少額のため、研究に有効利用できる器材や実験動物が購入できなかったことから、平成25年度予算と合わせてこれらに使用する予定である。
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