研究課題/領域番号 |
23592796
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 洋子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招へい教員 (60448107)
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研究分担者 |
岩見 行晃 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90303982)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | PIGE / フッ素定量測定法 / う蝕 / フッ素徐放性歯科材料 / 歯質 |
研究概要 |
申請者らは、近年、核反応を用いた歯質内のフッ素定量測定法を新しく開発、改良して、新たな歯質内のフッ素定量測定法を確立してきた。本研究はこの確立した測定法を用いて、フッ素のより有効な歯科臨床への定量的な解析と応用、それに基づいた新たなフッ素徐放性歯科材料の開発を目的とする。本測定法では健全歯質およびう蝕歯質でのフッ素濃度やフッ素の経時的変化の測定も可能となり、人工う蝕のフッ素の動態の検討も始めている。フッ素徐放性歯科材料から歯質にフッ素が浸透するのは、程度の差はあるがいずれの材料にも認められ、時間経過によってより深く浸透するが、フッ素の含有量、溶出量の多いものが必ずしも深く浸透するわけでもなく、またう蝕進行に伴いう蝕歯質内のフッ素濃度が高まるが、それらのフッ素がどこ由来のものかなどの詳細は明らかでない。今までのデータを基にして選択したフッ素徐放性歯科材料を用い、フッ素濃度は高いが浸透は浅い、濃度は低いが浸透は深いというフッ素分布が異なる歯質試料を作成した。その歯質にう蝕を想定した酸処理により脱灰を行った前後のフッ素分布を測定した。脱灰された歯質でのフッ素濃度は脱灰前のフッ素濃度より低くなることはなく、フッ素の増加量も脱灰前の歯質でのフッ素含有量により異なった。脱灰されたときに歯から溶出したフッ素は、歯質周辺に存在すれば容易に再度歯質に取り込まれると考えられるが、取り込まれる量は材料の影響を受けると考えられる。これらのことは一度歯質に取り込まれたフッ素はう蝕になって溶出しても再び利用されることを示唆している。さらに、人工う蝕作成の自動pHサイクル装置を使用し、う蝕歯質に取り込まれるフッ素が、歯に浸透しているフッ素、材料からのフッ素、周囲に存在するフッ素からどのように影響をうけているか検討するための適正な試料を作製中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定を行っている若狭湾エネルギー研究センターの加速器故障、海外での修理につき、当研究センターでの23年度の測定は延期となり、日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所(TIARA)の加速器での測定のみとなったため、予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
若狭湾エネルギー研究センターでの測定も7月から開始される予定で、現在マシンタイムを調整中であり、TIARAでの測定も続行されるので、当初の研究計画に変更はない。試料作製も引き続き行われ、測定日に対応して準備されている。23年度の成果は、6月IADR(ブラジル)、7月ICNMTA(ポルトガル)の国際学会で発表の予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた若狭湾エネルギー研究センターでの測定が延期となったため、試料作製費や旅費として23年度の研究費に未使用額が生じたが、24年度に若狭湾エネルギーセンターでの測定も再開され、予定通りの研究を実施するため旅費および試料作製費などを計上する。日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所(TIARA)の測定も予定通り並行して行う予定であり、試料作製のための材料や器具が必要である。情報収集、成果発表のための歯科保存学会、理工学会、国際学会への出席のための旅費を計上している。
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