研究課題
本研究は、硬組織誘導能を有する増殖因子(BMP)と骨形成を促進し治癒を促すことが知られている低出力超音波パルス(LIPUS)に着目し、両者を象牙質再生に用いた場合の効果を検討することを目的として実施した。全身麻酔下にて実験動物の健全永久歯に窩洞形成を行いラウンドバーにて実験的露髄部を作成し、ネオクリーナー・オキシドール交互洗浄、止血を行った。これにより歯髄腔と交通した歯冠側空隙が形成される。その後増殖因子(BMP)配合覆髄材を用いて直接覆髄を施し、コンポジットレジン充填を行った。移植後の観察期間中はLIPUSを用いて照射した群(BMP+LIPUS群)と照射しない群(BMP群)に分けて評価した。また覆髄材としてスキャホールドを用い直接覆髄を施した群(コントロール群)とした。その結果、BMP群、BMP+LIPUS群はいずれもコントロール群と比べて有意に修復象牙質が多く形成されていた。さらに、BMP+LIPUS群は他の2群と比べて修復象牙質形成が亢進していた。以上より、増殖因子(BMP)と低出力超音波パルス(LIPUS)の両者を用いることにより、象牙質形成が促進されることが示唆された。
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Journal of Oral Tissue Engineering
巻: 11 ページ: 220-226
ISSN 1348-9623
日本歯科保存学雑誌
巻: 56 ページ: 318,-324