研究課題
最終年度に得た研究成果の概容を以下に示す。1)髄床底を窩底とするレジンコア併用2級コンポジットレジン直接修復において、動的荷重ストレスの負荷は、歯頂側壁の辺縁封鎖性のみに有意な影響を与えていた。2)最新のCERECシステムを用いたセラミックアンレー修復に際し、レジンコーティングの応用は、咀嚼環境想定の動的荷重による窩底部接着強さの減弱を抑制する効果を有していた。3)フロアブルレジンの選択応用はユニバーサルレジンより優れた辺縁封鎖性の獲得に有用であった。また、フロアブルレジンの選択応用はユニバーサルレジンより接着信頼性を向上させ、併せて優れた接着耐久性の獲得に有用と推測できた。4)歯頸部罹患象牙質に対する接着は、最近のオールインワン接着システムを活用することによって、健全歯質と同等の初期接着強さを獲得できるものの、接着信頼性の点では難点を有していた。また、過去3箇年を通じて得た研究成果を要約すると以下のとおりとなる。1)交付申請書で掲げた"患者・歯科医師双方が求める質の高いメタルフリー直接・間接接着性修復の達成を図る"という目的の具現化に寄与できた。2)複合機能試験機およびMicro-tensile bond testを活用した実験系では、新規のレジン接着システム、レジンセメントおよびコンポジットレジンをはじめとする材料を用いて、口腔内環境を想定した条件下における直接・間接法によるメタルフリー接着修復の接着実態を評価確認した。3)次世代の歯冠修復を担うCAD/CAM修復を検討し、その窩洞適合性、形態再現性、ストレス条件下における接着挙動、辺縁封鎖性について検証した。4)in vivo/in vitro小型接着試験器を活用した実験系では、新規・試作レジン接着システムを用いて、摩耗症露出象牙質および齲蝕罹患象牙質に対する接着強さを測定し、臨床的修復歯面の接着実態や各種レジン接着システムの接着性能について探究した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件)
日本歯科保存学雑誌
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