研究課題/領域番号 |
23592819
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
吉川 一志 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (30309182)
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研究分担者 |
粟津 邦男 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30324817)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯学 / レーザー / う蝕 / 選択的除去 / う蝕検知液 / PDT |
研究概要 |
これまでう蝕検知液の研究、レーザーによる歯質削除の研究ともに盛んに行われてきたが、それを組み合わせた研究は少ない。また、選択的う蝕除去が術者の感覚ではなく、う蝕検知液に染まった部分のみをレーザーにより判別し、除去することが出来るならば、術者の経験に左右されることなく、う蝕治療の経験の浅い若い歯科医師でも、う蝕部のみを的確に除去できることができる術式が確立されることができると考えられる。ヒト抜去歯う蝕除去にEr:YAGレーザーの第1級アミノ基を有する化合物を配合したう蝕検知液(以下レーザーマーカー)により染色し、染色された部分のみを削除する際のう蝕検知液の色、濃度とEr:YAGレーザーの出力、削除方法を検討し、臨床における選択的う蝕除去法の確立を試みる。平成23年度は配合量と照射エネルギーの検討を行った。第1級アミノ基を有する化合物を2,4,8%配合したレーザーマーカーを研究協力者である日本歯科薬品横田氏に開発を依頼し、作製した。う蝕のあるヒト抜去歯をエポキシ樹脂で包埋し、天然う蝕試料を作製した。天然う蝕試料に対して試作したレーザーマーカーを滴下し、う蝕部を染色したのち、染色部をEr:YAGレーザーにて削除を行った。この際、健全象牙質が削除されず、染色されたう蝕部のみを削除する試作レーザーマーカーの化合物の配合量と照射エネルギーを研究分担者である大阪大学 粟津教授とともに検討した結果、35~50mJであると判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は配合量と照射エネルギーの検討を行った。第1級アミノ基を有する化合物を2,4,8%配合したレーザーマーカーを研究協力者である日本歯科薬品横田氏に開発を依頼し、作製した。う蝕のあるヒト抜去歯をエポキシ樹脂で包埋し、天然う蝕試料を作製した。天然う蝕試料に対して試作したレーザーマーカーを滴下し、う蝕部を染色したのち、染色部をEr:YAGレーザーにて削除を行った。この際、健全象牙質が削除されず、染色されたう蝕部のみを削除する試作レーザーマーカーの化合物の配合量と照射エネルギーを研究分担者である大阪大学 粟津教授とともに検討した結果、35~50mJであると判明した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はう蝕のあるヒト抜去歯の歯根を切断した後、う蝕のあるヒト歯をエポキシ樹脂で包埋し、天然う蝕試料を作製する。天然う蝕試料をう蝕の中心を通るように縦断し、それぞれα、β試料とする。α、β試料に試作したう蝕検知液を滴下し、う蝕部を染色したのち、α試料は染色部を実験1.で有効とされた試作う蝕検知液とレーザーの条件で削除する。β試料は微少硬度測定装置にて硬さマッピングを行う。α試料の削除した部分と、β試料の硬さがう蝕と判定された部分の深さと面積を研究分担者である大阪大学 粟津教授とともに比較、検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度はう蝕のあるヒト抜去歯の歯根を切断した後、う蝕のあるヒト歯をエポキシ樹脂で包埋し、天然う蝕試料を作製する。このためエポキシ樹脂の購入を考えている。天然う蝕試料をEr:YAGレーザーで削除する。このため、レーザーの先端チップの購入を考えている。β試料は微少硬度測定装置にて硬さマッピングを行う。α試料の削除した部分と、β試料の硬さがう蝕と判定された部分の深さと面積を研究分担者である大阪大学 粟津教授とともに比較、検討する。また検討結果について国内、海外の専門学会で発表予定である。
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