研究課題/領域番号 |
23592823
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大堀 ことは 北海道大学, 大学病院, 医員 (10374539)
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研究分担者 |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210627)
小松原 浩実 北海道大学, 大学病院, 助教 (50221247)
山本 悟 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10344524)
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キーワード | 培養人工骨 / GBR法 |
研究概要 |
基礎実験として、Maniatopoulosらの方法に準じて、ラットの大腿骨より骨髄幹細胞を採取し、初代培養を行った。1、2、3、4週間培養し、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性、DNA量、Ca(カルシウム)量を測定し、骨形成が順調に行われていることを確認した。次に、ラットの骨髄幹細胞を多孔質HAP気孔内で培養し、培養人工骨作製した。2週間、4週間培養して作製した培養人工骨を、ラットの背部に埋入し、2週間後、埋入部位である軟組織を摘出した後、ALP活性、Oc(オステオカルシン)を測定した。その結果、2週にかけては骨髄芽細胞が増加し、その後4週にかけて骨細胞が増加する傾向が認められた。病理組織学的には、2週培養、4週培養ともに、骨再生は、HAP表面に認められるが、内部には認められず、十分な個体数ではなかったが、骨量は2週の方が多い傾向にあった。これは、数を増やして検索する必要がある。 また、骨誘導再生(GBR)法は、細胞の通過を遮る構造を有する生体内吸収性あるいは非吸収性膜を利用して、骨組織が形成されるための空隙を確保するとともに、周囲からの結合組織の侵入を遮断し、骨芽細胞を膜と既存骨で形成される空隙内へ効果的に誘導することによって、骨形成を促す方法である。GBR膜により外部からの完全な細胞成分の遮断を行うが、培養人工骨を用いることで、細胞成分が存在しない状況下においても十分な骨形成が可能となることが期待される。今回、GBR法として生体内吸収性膜であるポリ乳酸(PLA)膜を利用する予定であり、予備実験においても、PLA膜が生体内で大きな炎症反応を示さないことは病理組織学的にも確認したが、本実験に対する膜の提供を受けられなかったため、実際、人体に使用されている生体内非吸収性膜であるe-PTFE膜を使用した。2週培養人工骨をラット頭蓋骨上に埋入し、2週間後、8週間後に摘出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
教室、実験室の引っ越しのため、継続して実験が行えなかったこと、GBR膜の確保に時間を費やしたため。
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今後の研究の推進方策 |
e-PTFE膜を用いたGBR法を併用し、2週培養人工骨をラット頭蓋骨上に埋入し、2週間後、8週間後に摘出した結果を、生化学的、病理組織学的に分析・検索を行う。その結果を踏まえて、実験ラットの個体数を増やし、本実験の目的であるように、どの条件で、より短期間に多量の骨形成の達成ができるかを確認していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験結果にばらつきが生じたため、実験の再検討を行ったり、教室、実験室等の引っ越しがあり、実験が断続的となり、計画の実施が遅れたため、次年度使用額が生じた。 平成26年度において、予定通り、平成25年度までの計画分の購入に充てる予定である。
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