研究概要 |
具体的内容:1)細胞培養 マウス頭蓋冠由来のMC3T3-E1細胞を使用し、24穴ディッシュに播種し、コンフルエントになった後、37℃、5%CO2下にて2日間培養を行った。 2)生体模倣条件 タイプIコラーゲンをゲル状にしたものを3mmほどの厚みになるように調整し、硬化後、MC3T3-E1細胞を播種する。 3)多色蛍光タイムラプス顕微鏡観察用細胞培養準備 細胞培養後の細胞を多色蛍光タイムラプス顕微鏡にて観察するため、特殊加工したカバーグラスをひき、その上に細胞を播種する、もしくはコラーゲンゲルを一層流し、その上に細胞を播種する。 4)多色蛍光タイムラプス顕微鏡による細胞観察の結果 E1細胞は,通常は紡錘形をしており、コラーゲンゲル内では、3次元的に足を伸ばしたような状態となった。 これにメカニカルストレスを想定して、細胞上に直接ハイドロキシアパタイトブロック(HAP:直径13mm高さ2mm、気孔率0%)をのせて24時間放置し、その後細胞の状態などを観察、生化学的分析を行った。 5)顕微鏡による細胞観察の結果 通常のE1細胞上にHAPブロックをのせたものでは、細胞だけの像よりも少し細胞が伸びて四方に足を伸ばしたような状態であった。またコラーゲンゲル上のE1細胞上にHAPブロックをのせたものでは、コラーゲンなしの細胞と同様に伸ばした足の長さが長い状態であった。 6)生化学的分析 tRNAを抽出後、DNAを複製し、realtimePCRにてOsteocalcinを計測した結果、細胞のみ、ゲル上の細胞共にHAPブロックを乗せたほうが、Osteocalcin量は高い値を示した。 結論: I型コラーゲンのゲル上での細胞培養にて、細胞が順調に生育をして、ゲル内に足を伸ばすという生体により近い状態での細胞動向が観察できた。またアパタイトブロックを乗せて重しにして持続的なメカニカルストレスをかけると、骨形成能が上がることが分かった。
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