研究課題/領域番号 |
23592825
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 華織 北海道大学, 大学病院, 助教 (40281828)
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研究分担者 |
山口 泰彦 北海道大学, 大学病院, 准教授 (90200617)
前澤 仁志 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80567727)
箕輪 和行 北海道大学, 大学病院, 講師 (30209845)
岡田 和樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (70399856)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 咬合異常感 / 脳磁図 / 咬合感覚異常症 / ブラキシズム / 顎関節症 / 歯根膜 / 大脳皮質体性感覚野 |
研究概要 |
感覚刺激に対する知覚閾値には個人差があり,持続的刺激でも変化すると言われている.顎口腔機能において重要である咬合接触強さに対する認識もこの知覚閾値と関連していると考えられる.そのため咬合異常感を評価するには大脳皮質体性感覚野といった知覚中枢レベルでの客観的評価が必要である. 本研究の目的は脳磁図(Magnetoencephalograph:以下 MEGと呼ぶ)を用いて刺激に対する口腔体性感覚の閾値と脳活動状態の関連性を定量的評価,検討することである. 本年度はMEG計測のプロトコルの作製に取り組んだ.MEG検査は76ch球面型生体磁気計測システムを使用し,サンプリング周波数600Hz,オンラインフィルタ0.03~ 200Hzの条件で計測した.咬合接触感は歯牙に加わる力により歯根膜が圧迫あるいは牽引され,歯根膜中に存在する歯根膜機械受容器が興奮し,その情報が脳に伝えられ生じる知覚であるため,刺激対象を歯根膜とした.刺激方法として左右下顎中切歯間に非磁性箔を介在させた.刺激オンとオフを交互に各々3回ずつ繰り返し,周波数解析をおこなった.通常安静・閉眼・覚醒でα波が観察されることから各々の条件でのα波の抑制の有無を観察した.その結果,10Hz付近では今回の刺激条件のオン,オフの間に明らかな差は認められなかった.次年度の課題として被験者を刺激部位,刺激時間や強度のバリエーションを増やし検討する必要があると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計測対象領域が歯牙,口腔粘膜,舌,顎口腔顔面筋群といった感覚および運動機能を担う複数器官が存在し,同時に働く領域であるため,脳内で複数の活動が近接しやすく,アーチファクトを含めたノイズの混濁防止や排除へのよりいっそうの配慮が必要であることがわかった.また,対象とした部分は刺激に対する知覚閾値が低い特性を有しているため,刺激頻度や強度についての検討に予想以上の時間を要したことも原因と考えられた.
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今後の研究の推進方策 |
刺激方法,ノイズの防止および出現時の対策,計測データの評価・解釈の工夫および被験者を増やすことが課題と考えられる.脳計測では筋電図もノイズとして扱わなければならないため,使用せずに計画を進めてきた.しかし,ノイズの有無の判断,発生部位を特定し,計測データの精度の向上を目指すには筋電図検査の併用を検討する必要があると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の想定より消耗品が少なく済んだこと,プロトコル作製が計画より遅れていることにより未使用額が生じた.平成24年度において計測データの精度を上げるために筋電図検査の導入を検討することとなったため,生体アンプを購入予定である.その他,計測器維持,情報収集に使用する予定である.
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