研究課題/領域番号 |
23592825
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 華織 北海道大学, 大学病院, 助教 (40281828)
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研究分担者 |
山口 泰彦 北海道大学, 大学病院, 准教授 (90200617)
前澤 仁志 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80567727)
箕輪 和行 北海道大学, 大学病院, 講師 (30209845)
岡田 和樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (70399856)
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キーワード | 咬合異常感 / 脳磁図 / 咬合感覚異常症 / ブラキシズム / 顎関節症 / 歯根膜 / 大脳皮質体性感覚野 |
研究概要 |
感覚刺激に対する知覚閾値には個人差があり,持続的刺激でも変化すると言われている.顎口腔機能において重要である咬合接触強さに対する認識もこの知覚閾値と関連していると考えられる.そのため咬合異常感を評価するには大脳皮質体性感覚野といった知覚中枢レベルでの客観的評価することは重要であり必要となる.本研究の目的は脳磁図(Magnetoencephalograph:以下 MEGと呼ぶ)用いて刺激に対する口腔体性感覚の閾値と脳活動状態の関連性を定量的評価,検討し,個々が持つ感覚許容能力に応じた咬合接触方法を確立することである. 本年度は昨年度の結果を踏まえ,刺激条件を変えてMEG計測を行った.検査は76ch球面型生体磁気計測システムを使用し,サンプリング周波数600Hz,オンラインフィルタ0.03~200Hz,1セッションの計測時間を約2分30秒,セッション数は刺激onとoffを交互に3セッションずつで計測した.刺激部位は咬合接触時の触覚,圧覚を,一感覚を感受する歯根膜とし,刺激として使用する金属箔はあらかじめ計測磁場に影響がない非磁性体であることを確認した.また刺激として使用する金属箔の厚みを昨年と違う条件とした.計測結果は周波数解析で200Hzから徐々に絞り,安静・覚醒時に増加するα波の出現の有無を観察した.その結果,刺激条件の違いにより若干の違いが認められる可能性が示唆された.次年度の課題として被験者を増やし条件による脳活動状態の違いの差の有無を検討する必要があると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔顔面領域の感覚刺激に対する脳活動は個人差があると考えられる.計測には脳磁図(以下MEG)計測システムを使用している.これはわずかな活動も計測される反面,ノイズを含めた様々な信号をも情報として混入してくるため,与えた刺激が出現する部位の特定が必要である.それを特定するための刺激条件等が口腔内という環境であるため制限され,時間を要したことが原因と考えられた.
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今後の研究の推進方策 |
刺激方法のバリエーションを増やすこと,刺激にリンクした反応部位の特定およびサンプルを増やすことが課題と考えられる.特に反応部位を特定する方法として刺激部位の知覚領域に電気的刺激を与えることも検討する予定であるため,電気的刺激も検討する必要があると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた学会参加を取りやめたこと,想定していた消耗品の使用が少なく済んだことなどの理由により未使用額が生じた.平成25年度において必要検討項目を増やしたことで必要となる機器を購入する予定である.その他,計測器維持等に使用予定である.
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