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2012 年度 実施状況報告書

歯垢の付着を抑制する歯冠用硬質レジンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592830
研究機関東北大学

研究代表者

泉田 明男  東北大学, 大学病院, 助教 (40333827)

キーワード硬質レジン / 歯垢 / 二酸化チタン / ぬれ性 / 前装用
研究概要

前年度、充填材としてのフィラーには石英と二酸化チタン、また、マトリックスモノマーにはウレタンジメタアクリレート(UDMA)とトリエチレングリコールジメタアクリレート(TEGDMA)、重合触媒としてカンファーキノン(CQ)を用い、充填材とマトリックスモノマーとの重量比を1:1にて配合した試作体を製作した。
今年度、前年度から遅れの出ていた試作体の表面性状、ならびに試作体断面の観察を行った。その結果、石英ならびに二酸化チタンが強く凝集していないことが確認された。
予定していた試作体の評価に先立ち、最新の市販品の基礎物性を明らかにするため検討を行った。その結果については、平成24年度社団法人日本補綴歯科学会東北・北海道支部学術講演会において、新歯冠用硬質レジンの基礎物性に関する検討と題して発表を行った。これによると、最新の市販品の物性は試作体よりも有意に高い曲げ強度を有することがことが予想された。また強度をはじめとして各物性値に影響を及ぼすと考えられるフィラーの充填量も大きく、70wt%程度であることがわかった。
これらのことからフィラーの配合量の変更について再検討する必要性があるものと考えられれた。そこで前年度用いた素材を用いて再度試作体を製作した。ただし、充填材とマトリックスモノマーの重量比を7:3に変更した。また、充填材の増加に伴い、充填材の凝集、光透過性の低下が予想されたため、練和方法および光照射時間に配慮して試料を製作した。その結果、当初の試作体よりも曲げ強度は増加した。さらに当初予定していた摩耗試験に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度、製作した試作体について、最新の市販品との比較を行ったところ、強度に不十分な点が認められた。そこで充分な曲げ強度を確保できるよう充填材とマトリックスモノマーの配合比の見直しをはかり、製作方法についても若干の見直しを行った。これらに対する対策を行っていたために遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

予定していた試作体の評価に先立ち、曲げ強度についてはおおよそ値を満たす目処を得た。これを踏まえて、以下の項目に従い研究を推進する。
1)磨耗試験:磨耗試験機を用いて,硬質レジンの表面を磨耗させた後,表面粗さ測定装置を用いて磨耗深さを測定する。
2)溶出試験:人口唾液に浸漬することにより,浸漬前後における二酸化チタンの溶出量の変化を測定する。
3)色素浸漬による色調の変化:擬似的な汚れとして,色素(フクシンエタノール溶液,コーヒー)に浸漬し,浸漬前後の試料の色調変化を色差計にて測定する。
4)SEM観察:上記1)~3)に対して試験前後の表面性状をSEMにて観察する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初予定していた試料の評価を次年度に延期することにより生じたものであり、延期した試作体の各種試験(摩耗試験、溶出試験、色調変化、SEM観察)に必要な経費として平成25年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新歯冠用フロアブル硬質レジンの基礎物性に関する検討2012

    • 著者名/発表者名
      泉田明男、石橋 実、笠原 紳、依田正信
    • 学会等名
      社団法人日本補綴歯科学会
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      20121026-20121027

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公開日: 2014-07-24  

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