パッチクランプ法をin vivo標本に応用するためのプローブを種々試作したが、使用に耐えうるギガオームシールが確認できたプローブは得られなかった。また、プローブを目的のニューロンにまで到達させる手法についても改善すべき問題点を多く残した。製作したプローブの一部を用いて、顎口腔系の体性感覚が投射される視床後内側腹側核のニューロン活動を細胞外記録した。記録されたニューロン活動の90%が、咀嚼・咬合に関連する機械刺激に応答し、刺激による覚醒に関連を示した。この結果は、咀嚼・咬合による感覚情報が意識レベルに影響を及ぼしていることを示唆する。
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