研究課題/領域番号 |
23592833
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
久保 圭 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (10431511)
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研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
小川 徹 東北大学, 大学病院, 講師 (50372321)
依田 信裕 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20451601)
末永 華子 東北大学, 大学病院, 助教 (00508939)
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キーワード | インプラント支台パーシャルオーバーデンチャー / インプラント / 義歯床下圧 |
研究概要 |
近年,歯列の部分欠損部顎堤に埋入した少数のインプラントを支持・維持に用いたインプラント支台パーシャルオーバーデンチャー(Implant-Supported Partial Overdenture,以下I-POd)症例が増加している.しかしながら,機能時のI-POdにおける支台インプラント,支台歯および義歯床下粘膜の荷重負担の様相に関しては未解明であり,I-POdの設計指針がないのが現状である. 本研究では,下顎片側遊離端欠損模型にてI-POdに加重した際の支台インプラント,直接支台歯に加わる三次元荷重,義歯床下粘膜荷重を同時測定し,各測定部位の荷重に対する支台インプラント本数,設置位置の影響を検討した. 下顎第二小臼歯から第二大臼歯までの遊離端欠損模型の第二小臼歯および第二大臼歯相当部の2か所にインプラントを埋入、欠損顎堤部には付加型シリコン印象材製の人工粘膜を付与した.支台インプラント,支台歯荷重は小型水晶圧電式三次元力センサにて測定し、義歯床下内面に粘膜荷重測定用の圧力センサを設置した.荷重は,義歯の第一大臼歯相当部に垂直方向に付与した. 直接支台歯に加わる荷重ならびに義歯床下粘膜に加わる荷重は,支台インプラントを設置することにより,支台インプラント無しの場合に比べて有意に減少した.義歯床下粘膜に加わる荷重量は,インプラントを2本設置した場合に大きく減少し,また第二大臼歯部に支台インプラントを1本設置した場合では,第二小臼歯部に設置した場合に比較して有意に減少した.すなわち遊離端欠損部に埋入したインプラントをI-POdの支台として利用することにより,直接支台歯ならびに義歯床下粘膜に加わる荷重の低減効果が発揮されること,さらに支台インプラントを欠損遠心部に設置することで,床下粘膜荷重のより大きい低減効果が得られることが定量的に示された.
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