研究課題/領域番号 |
23592834
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 奈央子 東北大学, 大学病院, 助教 (80510015)
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研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
小山 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (10225089)
塙 総司 東北大学, 大学病院, 助教 (90431585)
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キーワード | 粘着シリコーン |
研究概要 |
加齢、全身疾患の症状、顎・顔面腫瘍の手術、放射線療法などにより唾液分泌量の減少などが起こり、義歯の維持・安定を得るのが困難な患者は多い。この様な患者は義歯安定剤使用を余儀なくされることもあるが、強力な義歯安定剤は除去困難であり、口腔粘膜や義歯の残留物が口腔粘膜の炎症を引き起こす事が多々ある。よって、接着性を有する義歯開発が求められている。そこでわれわれは、粘着性を有するシリコーンの開発に着手した。これまで実験で使用してきた粘着シリコーンは、サンプルに多量気泡混入する、極少量キャタリスト計量に熟練を要する、などの問題があった。これらを改善すべく、キャタリストと架橋剤の比率を変化させることによって粘着性を出し、2種類の同量のシリコーンを反応させる事によって製作できるシリコーンを開発した。その中で粘着度の中、高2種類を選び、(中)、(高)とし、(CBR)1/60を(C)として機械的強度、粘着度について以下の試験を行った。 引張試験:(中)は(C)と(高)より有意に低く、(C)と(高)の間で有意な差は見られなかった。 Dutometer 硬さ(FR):(高)は(C)と(中)より有意に低くかった。 Rolling ball tack test:(高)の瞬間接着レベルは、(C)や(中)より有意に高かった。 接着力(クリープメーターを用いた測定):(C)は (中), 高より有意に高かった。 Rolling ball tack testにおける瞬間接着レベルの結果と、クリープメータを用いた接着力の結果は相反するものであった。これは、資料の硬さの違い、測定装置の材質の違い(carbon steel ball 、プラスチックplunger)によるものと考えられる。これらの結果より、(高)は、気泡混入、操作性が向上し、 (CBR)1/60と同レベルの機械的性質、粘着性有する事が示唆された。
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