本研究は企業就労者の顎関節症について調査したものである.調査対象は企業就労者4771名で,質問票によるアンケート調査を行った.調査項目は年齢,性別,顎関節症スクリーニング質問,寄与因子に関する質問およびvisual display terminal(VDT)作業時間である. 分析の結果,顎関節症は366名(7.7%)にみとめられ,女性であること,片咀嚼,緊張感過多,疲労持続感過多,身体痛の存在,下顎安静空隙の消失が顎関節症に影響する因子として抽出された.また,VDT作業時間については顎関節症群が非顎関節症群に比べ有意に長かった.
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