研究課題/領域番号 |
23592842
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
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研究分担者 |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
玉田 宜之 岡山大学, 大学病院, 医員 (90509499)
有馬 太郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80346452)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | セラミックス / レーザー / エッチング / 接着性 / 表面構造 |
研究概要 |
近年,患者の審美性に対する要求の高度化や金属アレルギーの問題などからオールセラミックスによる補綴治療の頻度が増加している.オールセラミックスのフレーム材として用いられるジルコニアあるいはアルミナの表面処理としては機能性モノマー,金属プライマーあるいは酸性溶液などの化学的処理とともにロカテックやサンドブラストなどの機械的処理が極めて重要である.しかし,日常の補綴臨床においては,機械的処理によってセラミックス表面に生じるマイクロクラックが装着後の機能圧によって進展する可能性は否定できず,オールセラミックスを用いた補綴装置の破損という不安が残存しているのが現状である.一方,セラミックス材料のエッチングはその方向性によって,水平方向と垂直方向にほぼ同じ速度で均一にエッチングする等方性と,垂直方向のみにエッチングする異方性の2種類が存在し,Nd:YAGレーザと薬剤を併用したレーザーアシストエッチングは,ファインセラミックスに応用することが可能であることから注目を浴びている.そこで本研究課題は,フレーム材表面にマイクロクラックを生じることなく微細凹凸構造を形成することを目的として,レーザーアシストエッチングがジルコニアあるいはアルミナの表面構造特性に与える影響について解析するととともに,レーザーアシストエッチング後のフレーム材とレジンセメントとの接着性について検討を加えることを目的としたものである.本初年度は,炭酸ガスレーザー照射がジルコニア表面の構造特性に与える影響を検討するとともにリン酸およびフッ酸処理がセラミックスの表面構造に与える影響について検討を加えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,実験計画に従い,研究分担者との連携も確立でき,順調に遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
各表面処理方法がジルコニアとアルミナの機械的強度について評価を行う.各表面処理後の材料の機械的強度は,材料の曲げ特性を解析することによって行う.各表面処理後のセラミックスを3点曲げ試験法を用いて測定し,付属のソフトから曲げ強さ,曲げ弾性率,破壊エネルギーおよび変位量を算出し,各表面処理条件がセラミックスの応力に対する機械的強度に与える影響について検索する.処理方法の適正度の評価には,各表面処理後の材料表面の三次元的構造解析結果と結晶構造解析結果とともに,処理後の材料の曲げ特性を計測することによって応力に対する機械的強度についての評価を判断して決定する.これにより,最終年度に予定しているレジンセメントとの接着強さに関する検討を確実に遂行することを目的とする. レジンセメントとの接着強さに関する検討に先立ち,構造特性解析および機械的特性解析の結果から処理方法が適切であるかどうかを検討し,必要に応じて再実験あるいは追加実験などを行い,最終年度に予定しているジルコニアあるいはアルミナとレジンセメントとの接着強さに関する理工学的ならびに構造解析おける検討に問題が出ないようにする
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究経費については,その多くは実験に関わる材料ならびに装置の作製に使用する予定である.また,次年度においては研究結果を国内外で発表するために使用することも計画している.
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