研究課題/領域番号 |
23592846
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
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研究分担者 |
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
入江 正郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90105594)
小野 高裕 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30204241)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 発音 / 精神的ストレス / 発汗 / 上顎 / 悪性腫瘍 / 義歯 / QOL |
研究概要 |
上顎顎欠損患者が,顎義歯装着により発語機能に一定の改善が得られているにも関わらず不満感を感じていることは臨床の場で古くから指摘されていた.発語明瞭度試験などの従来の機能試験ではこの不満感に対する客観的評価が行えないため,これらの発語に関する不満感は見過ごされていた.したがって臨床の場で,これ等の患者の発語時における不満感の客観的評価が容易に行うことができれば,顎義歯のQOL評価の観点からきわめて意義のあるものとなる.23年度研究実勢として,1.発汗波パターン分析によるストレス評価システムの構築:申請した流量補償方式換気カプセル型発汗計(SKN-2000,西澤電機計器製作所)とパーソナルコンピュータからなる発汗波パターン分析システムを構築した.予備実験として健常者を対象に,発音試験を行った場合の手掌部における精神的発汗動態を計測し,発汗量とリズムの変化を任意の計測部分で即時に算出できるシステムを構築した.2.倫理委員会での承認と被験者の募集ならびに選定:本研究の実施計画に対し,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会の承認を得た(受付番号1220,平成23年10月25日開催).現在被験者の募集選定を行っている.被験者は,上顎顎欠損者として,悪性腫瘍の摘出手術後,上顎骨部分欠損を生じ,岡山大学病院補綴科(咬合・義歯)で顎義歯による補綴治療を行った患者を対象とする.倫理委員会の承認を受けた実験趣旨,並びに内容等についてインフォームドコンセントの得られた者としている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の計画で示した,精神的ストレス評価システムの構築を,申請した流量補償方式換気カプセル型発汗計(SKN-2000,西澤電機計器製作所)とパーソナルコンピュータを用いて構築することが出来た. また本研究の実施計画に対し,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会の承認を得ることができた(受付番号1220,平成23年10月25日開催).現在被験者の選定を行っているところである. 以上のことから研究はおおむね順調に進展しているものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
1.上顎顎義歯の作製:上顎顎義歯の作製と装着後の経過観察を咬合・義歯補綴科(平成34年4月科名変更)で行う. 2.ストレス評価システムを用いた発汗波パターン分析と顎義歯による機能回復評価: 被験者に発語表を音読させ,その際における手掌部の精神的発汗波パターンの測定を,本ストレス評価システムを用いて,発語開始前から発語終了後まで連続的に行う.測定データから発語に伴う発汗波パターンの変化を,顎義歯装着,非装着それぞれの場合について求める. 発語時における快適性指数IgAの測定,(2)発音の満足度に対する主観的評価(visual analogue scale; VAS),(3)健康関連QOLの評価を行う.(4)発語機能評価を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
1.データ管理用パーソナル・コンピュータの設置:LANと接続しない研究用の独立した物を設置する.2.発汗計を用いたストレス評価システムの運用費: システムの保守,センサー固定用テープ,記録用メディアなどの消耗品など.3.研究課題に関する調査:研究課題に関連する関係学会への参加
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