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2012 年度 実施状況報告書

臨床データ・プロセシングに基づいた残存歯咬合支持能力の簡易診断システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592847
研究機関広島大学

研究代表者

水町 亘  広島大学, 病院, 歯科診療医 (50555141)

研究分担者 阿部 泰彦  広島大学, 病院, 講師 (00253097)
日浅 恭  広島大学, 病院, 助教 (60304432)
キーワード臨床データ / プロセシング / 残存歯 / 咬合支持能力 / 簡易診断システム
研究概要

平成24年度は,平成23年度の「各歯の歯周状態に対応した咬合支持能力の臨床データの構築」を継続・実施した。
被験者は,個性正常咬合を有する男性49名,女性50名,平均年齢24.7歳(20~37歳)とし,広島大学疫学研究倫理委員会の承認(第疫-331号)を得て,歯種別の咬合力(N),咬合接触面積(平方mm)及び咬合圧(MPa)を測定した。その結果,性差の認められないパラメータは咬合圧(MPa)であることが明らかとなり,歯種別咬合支持能力の臨床パラメータとして咬合圧(MPa)を選択した。
次に,残存歯の歯周状態に応じた咬合支持能力を評価する指数(阿部考案)における健全歯の場合の歯種別指数と,臨床パラメータである咬合圧(MPa)との相関を検証した。前歯から小臼歯にかけて,指数と咬合圧(MPa)の数値の変化は同じ傾向を示したものの,大臼歯においては,その傾向は逆転した。すなわち,大臼歯においては,単位面積あたりの咬合力である咬合圧(MPa)が他の歯種と比較して小さくなった。このことは,大臼歯が,前歯及び小臼歯と比較して歯根膜表面積が極めて大きく,また,広い咬合接触面積を有することで大きな咬合支持能力を発揮できることを証明した。
現在,歯種別咬合支持能力指数の臨床での適応方法を確立すべく,歯種別に残存歯根膜表面積と歯の動揺との関係をシミュレーションにより検証しており,正常な咬合圧(MPa)が適応できる歯種別咬合支持能力指数のレンジを明らかにし,残存歯咬合支持能力の簡易診断システムを開発する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯種別咬合支持能力を評価する臨床パラメータとして咬合圧(MPa)が適切であることが明らかとなり,正常値としての臨床データの構築は完了した。
歯周疾患に罹患した被験者からの臨床データの構築は難しいため,シミュレーションにより咬合支持能力と歯槽骨レベル(または残存歯根膜表面積)との関係を検証する研究を実施し,現在,データの分析を行っている。

今後の研究の推進方策

咬合支持能力と歯槽骨レベル(または残存歯根膜表面積)との関係をシミュレーションにて分析し,正常な咬合圧(MPa)が適応できる歯種別咬合支持能力指数のレンジを明らかにする。
以上より研究成果をまとめ,臨床データ・プロセシングに基づいた残存歯咬合支持能力の簡易診断システムを開発する。

次年度の研究費の使用計画

咬合支持能力と歯槽骨レベルとの関係に関するシミュレーションデータの分析および簡易診断システムの開発のために,パーソナルコンピュータおよび分析ソフトの購入に使用する。また,成果がまとまれば,論文投稿及び学会発表に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Occlusal-supporting ability of individual maxillary and mandibular teeth2012

    • 著者名/発表者名
      Abe Y, Nogami K, Mizumachi W, Tsuka H, Hiasa K.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 39 ページ: 923-930

    • DOI

      10.1111/joor.12008

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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