研究課題/領域番号 |
23592853
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
柏原 稔也 徳島大学, 大学病院, 助教 (90274232)
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研究分担者 |
市川 哲雄 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90193432)
永尾 寛 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30227988)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 口腔ケア / 効果の遅延 / miRNA |
研究概要 |
口腔ケアの有用性はYoneyamaらの報告(Lancet,1999)以来、医療関係者に広く認められるようになり、多くの施設で実践されている。Yoneyamaらの報告以外にも、口腔ケアの有効性を間接的および直接的に支持する数多くの基礎データあるいは臨床報告がなされている。我々も、Yoneyammaらの報告のデータの解析の一部を担って以来、独自に研究を進め、とくにデンチャープラークと咽頭微生物叢等の関連、デンチャープラークおよびカンジダを中心とした病原性の解明とその制御に関して、長年、研究を進め,評価してきた。本研究は、慢性期の口腔ケアの効果が遅延する原因を、in vivoおよび臨床研究から明らかすることを試み、口腔ケアの意義を再認識し、効果的な口腔ケア法を探ることにある。とくに、b)口腔ケアの咽頭微生物叢への波及の遅延、c)口腔ケアによる間接的な機能の賦活などの可能性の示唆するあるいは否定する証拠を見いだしたい。本年度は、まず、文献的考察とコホートスタディの準備を行った。とくに、口腔ケアと歯科医療デバイスとの関係について調査し、それを報告にまとめた。次に、簡単に口腔ケアの効果を図る方法として、ATP がルシフェリンと酸素の存在下で、ルシフェラーゼ(酵素)を反応させることにより AMP に変化し、その際の光エネルギーを図る方法で測定する方法を検討し有用であることを示した。唾液中miRNAに注目し、口腔ケア状態と糖尿病との関係についても検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、研究の順番を入れ替え、文献考察と人を対象としたコホートスタディの準備を行い、in vitro実験、動物実験に関する研究と実質の調査開始を次年度送りにした。これは、実験、調査に必要な大学院生の確保が大学院生側の事情により遅れたことがあげられる。その分、コホート研究のための唾液中のmiRNAに関する研究への着手、および新たな解析法への準備を行った。入れ替えた分の研究経費を次年度で使用する予定で、in vitro実験、動物実験およびコホートスタディのための試薬、動物機材購入に充てる。
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今後の研究の推進方策 |
口腔ケア遅延に関する文献考察を進めるともに、口腔刺激モデルを確立し、動物実験レベルでの口腔刺激の有用性を検討する。さらに、コホートスタディのためのプロトコールを確立し、調査を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
口腔刺激実験モデルの確立のための、マウス、電子部品、試薬の購入をする。臨床介入研究のための種々の準備のための試薬,器材を購入する。
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