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2012 年度 実施状況報告書

慢性期の口腔ケアの効果は、どうして遅延するのか

研究課題

研究課題/領域番号 23592853
研究機関徳島大学

研究代表者

柏原 稔也  徳島大学, 大学病院, 助教 (90274232)

研究分担者 市川 哲雄  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90193432)
永尾 寛  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30227988)
キーワード高齢者 / 慢性期 / 口腔ケア / 光トポグラフィー
研究概要

本研究は、慢性期の口腔ケアの効果が遅延する原因を、多面的な面から明らかすることあり、口腔ケアの意義を再認識し、効果的な口腔ケア法を探ることにある。本年度は、口腔ケアの遅延に関する文献検索を進め、“Oral care”and“Assessment”で 263件、 “effects”で19件がヒットしたものの、閲覧が可能で関連があるものは4件、参考文献で有用の可能性が高いもの13件に次ぎなかった。命題である慢性期の口腔ケアの効果の時期について言及したのはなかった。仮説は、「口腔ケアの効果は直接的な口腔微生物の量的減少だけでなく、口腔への刺激によって、脳活動に影響を与え、それによって免疫能が向上する、あるいは、口腔運動自体が活発になり微生物叢の量的質的な変化が生じる」として検討を進めた。
口腔運動における脳活動への影響については、口腔運動と他の機能(四肢をコントロール)を比較し、脳機能賦活への影響を光トポグラフィーによって検討するシステムを考案した。口への刺激が、前頭前野に及ぼす影響について検討を開始し、影響のある端緒がうかがわれ、今後さらに検討を進め、口への刺激が脳活動を介しての免疫系へ関与するかどうかを探る予定である。
唾液流量については、正常者を対象に、口腔顎顔面の温熱刺激による唾液流量の変化について調査し、顎下部の温熱刺激によって唾液流量が上昇することを見いだした。
さらに昨年度考案したATP がルシフェリンと酸素の存在下で、ルシフェラーゼ(酵素)を反応させることにより AMP に変化し、その際の光エネルギーを図る方法で口腔や義歯の汚れを測定する方法で評価した結果、容易に汚れが取れないことを確認した。
口腔観察法として、小型口腔カメラによる方法について検討を行った。
マウスへの口腔刺激法を確立し、実験動物での慢性期の口腔ケアの効果の遅延について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、予定していた口腔ケア遅延に関する文献考察は順調に進めた。昨年度、実験、調査に必要な大学院生、実験補助者の確保が事情により遅れた分については、その口腔刺激モデルを確立し、動物実験レベルでの口腔刺激の有用性を検討することについては十分に事前検討行い、平成25年度に行う予定である。
さらに、ヒトにおけるコホートスタディのためのプロトコールを確立し、調査を平成25年度に開始する。

今後の研究の推進方策

人における脳活動を介しての免疫系へ関与を光トポグラフィーなどを用いて検討する。すなわち、口腔刺激と四肢への刺激が前頭前野への影響度合いや免疫系影響を検討する。
口腔刺激実験モデルの確立については、マウスにおける口腔刺激装置を作製し、実験系を確立する。確立した実験系で、免疫検査、生化学検査を行いその影響を検討する。
人における口腔刺激による口腔の汚れについて、小型口腔カメラと開発した考案したATP -ルシフェリンアッセイあるいはインピーダンスによる細菌カウンターで調査をする。
以上の結果を解析し、「慢性期の口腔ケアの効果はなぜ遅延するのか」の命題に対しての仮説を検証していく。さらに、効果的な口腔ケア法について考察する。

次年度の研究費の使用計画

次年度への繰越額は、口腔刺激実験モデルの確立のための、マウス、電子部品、行動観察システム、試薬の購入をする。あわせて、免疫機能に関する検査委託費、臨床介入研究のための種々の準備のための試薬,器材を購入および動物実験およびヒトコホート研究の実験補助費に使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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