研究課題/領域番号 |
23592858
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田上 直美 長崎大学, 大学病院, 講師 (70231660)
|
研究分担者 |
柳田 廣明 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20380925)
|
キーワード | ファイバー / コンポジット |
研究概要 |
平成25年度の研究目的、実施計画は接着ポンティックのin vivo,in vivo評価を行うことである。 in vivo研究では症例不足で統計学的検討が出来なかったため、ケーススタディとして評価を行った。その結果、20年以上の経過症例をはじめ、複数の長期症例が得られたため、症例報告として学会誌に投稿した。また、接着ポンティック法と類似した補綴用コンポジットレジンによるラミネートベニア法について、接着力が不十分で二次カリエスが惹起されることを報告した。 in vitro試験ではコンポジットレジンの重合方法がFRCの曲げ強度に及ぼす影響を調べるため、曲げ試験及びせん断試験を実施した。その結果、コンポジット単体では重合方式が強さに影響を及ぼすものの、FRCでは差が認められないことを確認した。しかしながら、破壊様式は重合方式によって大きく異なり、予備重合や後加熱の付加的重合方法が予後に良好な影響を及ぼすことが示唆された。 少数歯欠損に対する他の補綴法の生存分析も実施した。接着ブリッジ、可撤性義歯、インプラントの3種類を選択、可撤性義歯とインプラントについては4歯以内の遊離端欠損を対象として症例を収集した。接着ブリッジに関しては約400症例について年齢、上下顎の別、前歯臼歯の別、金属の種類、セメントの種類、表面処理の種類等について統計学的に分析した。可撤性義歯とインプラント補綴については10年以上の経過のある症例を生存分析(n=139)し、且つ10年間の抜歯本数(n=114)を比較するという手法で比較検討したが、インプラントと可撤性義歯に統計学的に有意な差は認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivo評価は保険制度の問題もあり症例数の確保が困難であるが、ケーススタディは可能であり問題ないと思われた。今後延長期間を利用して更なる症例数の確保に努める予定である。 インプラントを含めた少数歯欠損の生存分析との比較も同時進行で行っており、興味ある知見が得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更はないが、徹底したカルテ調査によるコホート研究の実施に努める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究の最終段階で、症例数の不足によるin vivo研究の遅滞とin vitro試験の研究計画変更が生じた。 平成26年度の早い時点で研究は終了できる予定である。
|