研究課題/領域番号 |
23592862
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
柳田 廣明 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20380925)
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研究分担者 |
田上 直美 長崎大学, 大学病院, 講師 (70231660)
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キーワード | 表面改質 / ナノフィラー |
研究概要 |
本研究の目的はナノサイズチタンを歯科材料の補強材に応用するにあたり,その表面に対して化学的修飾を施し機能材料化の効果を検討することである.化学的修飾について平成23年度に続き検討を行った.機能性モノマーに加え,SiO2によるコーティングによる効果についても検討を行った.コンポジット系材料に対する効果について検討を行った. 1)チタン酸化膜に対して化学修飾を行うに際して,前年度に評価した機能性モノマーとシランカップリング剤のγ-MPTSを添加したコンディショナーを2種試作し検討した.コンポジット系材料に対して添加なしと比較して有意に高い初期接着強さを示した.熱サイクル耐久試験に供した後の接着強さはγ-MPTSのみ,または機能性モノマー単独の応用と比較すると有意に高い値を示した.しかしながら初期接着強さからは有意に低下した. 2)前処理としてチタン表面にSiO2でコーティングを施した.その後1)と同様に試作したコンディショナーによる処理を行った.アクリル系接着材との接着耐久性評価を行った.初期接着強さにおいては機能性モノマー,γ-MPTS単独による処理と同等の接着強さを示した.熱サイクル耐久試験後の結果において試作した2種のコンディショナー処理は有意に高い値を示した. 3)上記の結果を受けて,ファイバーに対して試作コンディショナーによる処理を行った.処理後にアクリル系樹脂に対する添加効果を評価を行なっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度ナノフィラーの入手が困難であったが,今年度は安定した供給を外部より受けたためフィラーを使用した実験が行う事ができた.昨年度行なっていた基礎実験結果をもとにフィラーに対する化学的修飾について検討を行うことができた.化学修飾を加えたフィラーを添加することによる効果についての検討も進行でき,ほぼ計画通りの進行と思われる.
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今後の研究の推進方策 |
化学修飾を加えたナノサイズチタンフィラーを添加するにあたって,至適濃度を決定する予定である.また,材料によって添加効果の有無がないかを検討予定である.具体的にはアクリル系樹脂を2種,アクリル系接着材を2種予定している.さらには歯科用合金(金属)との接着及び耐久性について改善効果があるか,を検討予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
さらにより詳細なデータ採取にあたり共同実験施設への依頼も検討している.データをまとめるにあたり,計算機を購入予定である. 追加実験について機能性モノマー,高分子樹脂を購入予定である. まとめたデータについては関連学会に参加し発表を行い,さらに論文化を行う.投稿には英文誌を予定しており英文校正の外部発注も予定している.
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