研究課題/領域番号 |
23592863
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
會田 英紀 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (10301011)
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研究分担者 |
平井 敏博 北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80014273)
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90186669)
豊下 祥史 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (20399900)
河野 舞 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90586926)
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キーワード | 歯科 / 生体材料 / インプラント / 光機能化 |
研究概要 |
無歯顎患者に対するインプラントを支台としたオーバーデンチャーは、無歯顎高齢患者のQoL改善に大きく貢献することが期待される。本研究の目的は、インプラントオーバーデンチャーに特化した低侵襲インプラントシステムを開発し、顎堤が高度に吸収した無歯顎高齢患者の機能回復を目指すことである。 平成24年度は、初年度に試作したスクリュー型インプラントサンプル(JIS規格第2種純チタン、寸法:D2.0×T0.6×L2.0×M1.2)を若齢ラットモデルならびに老齢ラットモデルの大腿骨に埋入し、バイオメカニカル試験として微小トルク計を用いた逆トルク試験を行い、骨-インプラント結合強度を定量的に評価した。その結果、いずれのラットモデルにおいても試作チタンインプラントを光機能化することで逆トルク値が有意に増大することが確認できた。本研究では、「最大の耐押し込み荷重、最小の耐トルク荷重」を特徴とする低侵襲光処理機能化ショートインプラントの開発を目指しているため、既に実験手法が確立されている押し込み試験以外にこの逆トルク試験の手法を確立できたことは大きな成果であった。さらに、若齢ラットモデルならびに老齢ラットモデルのそれぞれの大腿骨から採取した初代培養細胞を用いて、増殖能ならびに石灰化能をin vitroで分子生物学的に解析したところ、加齢によって骨髄由来の間葉系幹細胞の増殖能ならびに石灰化能が低下していることが確認できた。 以上の結果より、光処理機能化技術は、骨代謝の低下した高齢者においても強固なオッセオインテグレーションを獲得することが大いに期待されることから、低侵襲光処理機能化ショートインプラントを臨床応用できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インプラントサンプルをラット大腿骨に埋入する実験手技は既に確立していたため、今年度は逆トルク試験の安定した測定方法の確立に専念することができたため、期待通りの測定データを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、若齢ラットモデルならびに老齢ラットモデル用いた逆トルク試験で一定の研究成果が得られたので、最終年度となる平成25年度はさらにスクリュー型ショートインプラントサンプルを試作し、押し込み試験ならびに逆トルク試験による骨結合能の評価を行う。また、3年間のプロジェクトから得られた知見と問題点について整理し、最終年度以降にさらに発展した内容を含む新規プロジェクトとして申請を行う準備をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度も概ね予定通りに予算を執行できたと考える。したがって、最終年度は申請時の予定通りに、消耗品として、動物実験用ラット、特注品インプラントサンプル、一般試薬などを購入する予定である。他には、研究成果を発表するための旅費に使用する予定である。
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