研究課題/領域番号 |
23592870
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小見山 道 日本大学, 歯学部, 准教授 (60339223)
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キーワード | 下顎反射 / 顎運動 / 国際情報交換(ベルギー、デンマーク) |
研究概要 |
本研究は、ヒト感覚閾値と運動機能(筋反射)の関連を検討し、さらに心理学的データと比較検討し、筋の反射という運動機能に関して、心理学的要因によってこれらが変化する可能性について検索するものであるが、その一部については既に昨年度報告した。咬筋抑制反射には、潜時15マイクロ秒あたりの一次反射と、潜時30マイクロ秒あたりの二次反射がある。しかしながらこれまでの研究過程で、両者を安定して発現させるためには、高強度の電気刺激が必要であり、その際に極度の疼痛を伴うことが判明した。したがって、経皮下での電気刺激では、これからの課題である、実際の患者に対して、同様の実験は困難であるとの結論に達した。そこで、文献検索を行ったところ、経頭蓋磁気刺激装置が無痛での咬筋抑制反射発現に有効であることが判明した。これまでも、この経頭蓋磁気刺激装置を、咬筋抑制反射の発現に応用した研究が行われているが、いずれの研究でも、刺激に伴う疼痛は、経皮的電気刺激に比較して弱いことが報告されている。一昨年度までは、この経頭蓋磁気刺激装置を購入、実験を開始し、経皮的電気刺激に対して、疼痛の少ない刺激強度で、咬筋抑制反射を発現させることに成功した。また、患者に対する応用にも十分可能である結果を得て、その内容を英文誌に投稿し、受理され、発行された。昨年度はこれをさらに応用した形で、年齢による影響に関する測定を終了し、その内容を学会発表し、学術雑誌に投稿し受理された。今後はこれをさらに応用した形で、実際の患者での測定結果を学会発表し、学術雑誌に投稿していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに得られた結果を基にして、さらに被験者からのデータを追加、収集し,その後最終的なデータ処理を行っている。また確立した方法論や実験結果に関して,日本補綴歯科学会や日本顎関節学会,あるいは国際歯科学会などにて学会発表を行った。さらに臨床における患者データの収集に向けて、外来の基本データもまとめ、論文として発表しており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に行った学会発表での検討に基づき、実験を追加し、データの補完を行う。また分析方法も再検討し、データの整理を終了させる。これらの追加検討をもとに、さらに海外での学会発表を行い、海外協力研究者とディスカッションを重ね、得られた結果をとりまとめ国際学術雑誌に成果の発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究費は、平成24年度に行った学会発表での検討に基づき、実験を追加し、データの補完を行う。その際の実験機器の消耗品の購入に使用する。また、海外での学会発表を行い、海外協力研究者とディスカッションを重ね、得られた結果をとりまとめ国際学術雑誌に成果の発表を行うために、学会参加費、および投稿に伴う諸経費として使用する。
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