研究課題/領域番号 |
23592871
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小泉 寛恭 日本大学, 歯学部, 講師 (20339229)
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研究分担者 |
松村 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (40199857)
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キーワード | 歯学 / 複合材料・ |
研究概要 |
間接修復用コンポジットは現在,国民の審美的な要求の高まりとともに,機能と審美性を兼ね備えた補綴装置である硬質レジン前装冠の前装材料として広く臨床応用されてきている。間接修復用コンポジットは,同じ歯冠色材料である陶材と比較して築盛,形態付与が容易である性質を持っている。その反面,間接修復用コンポジットは,陶材と比して強度が十分ではなく,また複合材料である特色から咬耗や摩耗しやすい性質を持つ材料である。その為,硬質レジン前装冠の前装範囲は,摩耗を受けやすい部位である咬合面を避けて設定されるのが常であった。具体的な例を挙げると,下顎小臼歯部においては特に審美的な問題が多いと考えられてきている。近年,その問題を解決すべく,機械的性質の向上や耐摩耗性の改善に関する研究がなされてきた。その結果,間接修復用コンポジットの被覆範囲を広くする設計も取り入れられてきているが,その長期的な予後はいまだ不明な点があり,臨床的な観点からの諸性質の検討が必要である。 本研究は,間接修復用コンポジットのマトリックスに着目しその転化率を制御することにより,耐摩耗性を改善し,口腔内で長期間機能する補綴装置を国民に提供することを目途とした。平成24年度に実施した研究の成果は,製造者指示の重合条件をコントロールとし,平成23年度の結果を元に,中間重合器のハロゲンランプの照射距離を最適距離に設定し,メタルハライドランプを使用した最終重合器と組み合わせた重合条件を設定した。その結果,各深さにおける硬化硬さは,製造者指示の重合条件と比較して,メタルハライドランプを使用した最終重合器と中間重合器の組み合わせた条件が最も大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハロゲンランプを光源とした中間重合の最適化は既に完了している。蛍光管,ハロゲンランプもしくはメタルハライドランプを光源とした重合器を使用し,短時間で効率的な重合条件設定は,既に硬化硬さ,重合深度等の基礎的な実験結果において得られている。
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今後の研究の推進方策 |
硬化硬さや重合深度などの基礎実験によって得られた重合条件をもとに,間接修復用コンポジットの摩耗試験を行っていく予定である。模擬咬頭には,貴金属,セラミックスを使用する。ISO/TS14569-2を参考に摩耗試験を行う。試験後の摩耗試験の形状は,走査型レーザー顕微鏡を使用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品費を摩耗試験における様々な材料を購入するために使用する。旅費は,国内旅費および成果発表のために使用する。また,謝金は英文論文作成時の英文校正料としての使用を予定している。
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