研究課題/領域番号 |
23592873
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
栗原 大介 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (70535773)
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研究分担者 |
大久保 力廣 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10223760)
小久保 裕司 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20225410)
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キーワード | インプラント / オーバーデンチャー / シミュレーション模型 / 実験義歯 / ひずみゲージ / 超小型圧力センサー / アタッチメント |
研究概要 |
昨年度は,下顎無歯顎患者に対して,インプラント1本支台オーバーデンチャーの生体力学的な安全性を評価する目的で,シミュレーション実験を行った.下顎の無歯顎を想定し顎堤を簡略化した実験用模型を製作し,模型は正中部にインプラントを1本埋入するモデルと左右犬歯相当部にインプラントを2本埋入するモデルを製作した.義歯機能時におけるインプラントと顎堤粘膜に対する負担圧配分およびインプラント周囲にかかる応力に関して検証されていないため,インプラントフィクスチャーには頬舌側および近遠心側に計4枚のひずみゲージを設置し,左右第一小臼歯,第一大臼歯相当部の顎堤頂には超小型圧力センサーを設置した.また,測定時に模型には疑似粘膜としてシリコーン印象材を厚さ2.0mmの厚みで付与した. 実験義歯は顎堤に合わせ単純化し,臼歯部咬合面形態は加重を考慮して平面化したものを製作した.実験義歯とインプラント支持は,インプラント支持のない通常の全部床義歯,インプラントにボールアタッチメントを装着したボールアタッチメント支持とインプラントに緩圧性ボールアタッチメントを装着した緩圧性ボールアタッチメント支持の3条件とした.測定は本学所有の変位量計を組み込んだ定荷重圧縮試験機上にシミュレーション模型を設置し,実験義歯に50Nの荷重を加えて顎堤粘膜の負担圧,義歯の変位量およびインプラントのひずみを同時に測定した. その結果,インプラント1本支台では支台装置の相違に関係なく頬側,左右側は引張りひずみ,舌側は圧縮ひずみが認められ,顎堤部の負担圧配分は第一大臼歯相当部の方が第一小臼歯相当部に比較して有意に大きな値を示した.また,2本支台では支台装置の相違に関係なく遠心,舌側は圧縮ひずみ,近心,頬側は引張りひずみが認められ,顎堤部の負担圧配分は第一大臼歯相当部の方が第一小臼歯相当部に比較して有意に大きな値を示した.
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