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2011 年度 実施状況報告書

バイオ再生歯実現への優れたエナメル質形成幹細胞を獲得する

研究課題

研究課題/領域番号 23592875
研究機関広島大学

研究代表者

呉本 晃一  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90319583)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード再生 / 口腔上皮 / 幹細胞 / エナメル質
研究概要

本研究の目的は、FGFR2b 下流シグナルが口腔上皮由来幹細胞(DESCs) のエナメル芽細胞分化に与える影響を明らかにすることにある。本研究結果は、DESCsを利用したエナメル質再生の基盤となり、バイオ再生歯の開発/臨床応用に多大な貢献もたらすと考えられる。本年度は、FGFR2b 遺伝子ノックダウンマウスを用いて、FGFR2b 下流シグナルがDESCs のエナメル芽細胞への分化に与える影響とそのメカニズムの解明することである。実験モデルとして、[K14Cre]マウスと[rtTA x tet(O)sFgfr2b]マウスをかけ合せることで、上皮由来組織に限局し、FGFR2b を誘導的かつ可逆的に、ノックダウン可能なマウスを製作した。実験条件として、マウスの前歯の萌出が完了する出生14日後からFGFR2b遺伝子のノックダウンを開始し、その期間は4週間とした。この結果、FGFR2b遺伝子ノックダウンによりマウス切歯の根尖部には、新たにエナメル質が形成されないことが明らかとなった。また共同研究者の研究結果より、Runx2の共役因子であり、骨形成過程に大事な働きを持つことが明らかとなっているcbfbをK14Creを用いて上皮組織特異的にノックアウトすると、FGFR2bノックダウンした時と同様の表現型を示すことが明らかとなった。以上の結果から、FGFR2bシグナルとRunx2/cbfbは、口腔上皮由来幹細胞の分化過程において非常に関連が深いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

直接経費に全額支給が遅れたことともに、研究代表者が大学を異動(大阪歯科大→広島大)したために、動物資源の移動や実験プロトコールの新規申請などにより、実験の中断を余儀なくされたため、若干の遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

本年度の研究結果をもとに、FGFR2bシグナルとRunx2/cbfb関連シグナルの探索を引き続き行っていくとともに、次年度の計画であるDESCs の単離・培養および幹細胞学的検討を行っていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度はDESCs の単離・培養および幹細胞学的検討を行っていく予定である。研究経費は(1) 実験モデル作製および実験動物の飼育管理費、(2) DESCs の単離/培養に必要な消耗品(培養液、血清、抗体等)の購入、(3)DESCs の幹細胞特性解析に必要な消耗品(抗体等)に使用する予定である。また情報収集および成果発表のために旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Core binding factor beta functions in the maintenance of stem cells and orchestrates continuous proliferation and differentiation in mouse incisors.2011

    • 著者名/発表者名
      Kurosaka H., Islam M.N., Kuremoto K., Hayano S., Nakamura M., Kawanabe N., Yanagita T., Rice D.P., Harada H., Taniuchi I., Yamashiro T.
    • 雑誌名

      Stem Cells

      巻: 29(11) ページ: 1792-1803

    • DOI

      10.1002/stem.722.

    • 査読あり
  • [学会発表] 線維芽細胞増殖因子が口腔上皮由来幹細胞の機能と分化を制御する2011

    • 著者名/発表者名
      呉本晃一、前田照太、西崎 宏、岡崎定司
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会 第120回記念学術大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2011 – 522

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公開日: 2013-07-10  

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