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2011 年度 実施状況報告書

歯科治療ロボットの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23592879
研究機関東北大学

研究代表者

菊地 聖史  東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50250791)

研究分担者 高橋 正敏  東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50400255)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード歯科理工学 / 医用ロボット / 切削・研削加工 / 歯科CAD/CAM / 歯牙切削
研究概要

初年度は、歯の形成を自動的に行う歯科治療ロボットの基本構成を検討し、装置やプログラムの試作を開始した。自動形成中の危険を極力排除するため、次のような安全機構を検討した:(1)緊急停止スイッチ、(2)加速度センサを用いた患者の不意の動きに対する緊急停止機構、(3)圧力センサを用いた口腔内の固定機構の脱離に対する緊急停止機構、(4)荷重センサを用いた過大な力に対する緊急停止機構、(5)口唇、頬粘膜、舌など、切削対象歯以外を保護するプロテクタ、(6)エアタービンの切削パワーと送り速度の自動制御機構。また、プログラムについては、1級単純インレー窩洞の咬合面外形の幾何学的設計法を拡張し、1級複雑インレー窩洞ならびに2級インレー窩洞についても、咬合面外形の設計ができるように改良した。2級窩洞の咬合面と隣接面の移行部の形状は、ストレート、スイーピングカーブ、リバースカーブの3タイプとし、直線やベジエ曲線を用いて設計した。2級窩洞の側室部分は、ローリングボール法により歯の輪郭に平行な補助曲線を描き、その補助曲線と上記直線またはベジエ曲線の両方に接する円弧を描くことにより設計した。窩洞外形は、滑らかであることが求められ、また、設計した窩洞が実際に形成可能であるためには、窩洞の最狭部にも工具が到達可能でなければならない。試作プログラムを用いて設計を試みたところ、上記要件を満たす窩洞の咬合面外形が得られることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって、装置の試作に不可欠な旋盤やボール盤、バンドソーなどの工作機械が壊れて使用できなくなり、それらの復旧に時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

今後は、初年度に引き続いて装置やプログラムの設計と試作を進めるとともに、動作検証と評価を行い、改良を進める。具体的には、次のとおりである。(1)装置の固定方法の検討:印象用トレーと印象材による、口腔内の形成対象歯と口腔外の装置の位置関係を固定する方法を、固定力などの点から検討する。(2)形状測定方法の検討:隣接面や歯肉縁下など、光学式では測定が困難、あるいは不可能な箇所を含む対象歯の形状データを迅速に得るため、接触式と非接触式を併用した方法を検討し、装置の設計と試作を行う。(3)自動形成装置の開発:装置の設計と試作を行い、動作検証を行って、自動形成の問題点を洗い出す。(4)形成形状設計と自動形成プログラムの開発:対象歯の形状データを基に窩洞や支台歯の形状を設計するプログラム、工具経路を計算するプログラム、装置を制御するプログラムなどの設計と試作を行い、自動形成装置と併せて動作検証を行う。なお、装置とプログラムの動作検証と評価に際しては、歯科用マネキンの歯列に対して試作装置を装着し、形状測定・設計・自動形成を試みる。自動形成は1級窩洞から始め、装置やプログラムの開発とともに、より難易度の高い形成へと段階的に進めていく。各部が意図したとおり動作するか、また、精度や切削面性状は十分かなどを検証する。さらに、装置の安全性や操作性、所要時間など、臨床の視点からも検討し、問題点があれば設計変更や調整するなどして改良する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初計画していた装置の試作が東日本大震災の影響により一部遅れているために生じたものであり、次年度以降に実施する研究に必要な経費として、平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Geometric design method for occlusal outlines of complex class I and Class II inlay cavities2011

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Kikuchi, Masatoshi Takahashi M, Yukyo Takada
    • 雑誌名

      Dental Materials Journal

      巻: 30 ページ: 648-654

    • DOI

      10.4012/dmj.2011-058

    • 査読あり
  • [学会発表] インレー窩洞の幾何学的設計法2011

    • 著者名/発表者名
      菊地聖史、高橋正敏、高田雄京
    • 学会等名
      第58回日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      郡山市
    • 年月日
      2011-10-22

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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