研究課題/領域番号 |
23592884
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩井 聡一 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10362675)
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研究分担者 |
明石 満 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20145460)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 骨再生 / 生体材料 |
研究概要 |
(1) HApゲルの臨床研究を遂行した。大阪大学歯学部倫理委員会において承認を得たプロトコールにしたがって遂行した。智歯抜歯、嚢胞摘出後の顎骨欠損、インプラント埋入時の骨量不足(サイナスリフト)等に対し、HApゲルを単体で充填した。また、顎裂閉鎖骨移植に対して、オトガイ骨とHApゲルを混和した充填した。術前、術後の骨生成の評価はデンタルX線写真、パノラマX線写真、デンタルCTの撮影によっておこなった結果、全例に、骨生成が認められた。さらに創部治癒不全、術後感染、骨吸収の有無を確認した結果、有害事象は認めなかった。 (2) ラット骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上で培養し、ラット頭蓋骨欠損部に埋植し骨形成の至適条件を検討した。 HAp ゲル上で、ラット間葉系骨髄幹細胞の初代培養を行った。細胞親和性、接着性や増殖性、骨芽細胞への分化能に及ぼす効果について解析し、HApゲルの組成や形状の至適条件を確立した。細胞の増殖能及び親和性を増殖曲線やDNA量測定を指標に検討し、至適培養条件を決定した。さらに、骨への分化を誘導する因子であるデキサメタゾンの添加によって、骨芽細胞への分化や骨基質の生成、石灰化を促進させた。アルカリフォスファターゼ活性(骨芽細胞への分化の指標)やオステオカルシンの発現量(骨分化の指標)を測定し、分化誘導能を解析した。カルセインの沈着量、アリザリンレッドS染色(骨基質のカルシウムを染色)、炎色反応によるCa量などを測定し骨の生成量を測定した。(3) HApゲル上における骨髄間葉系幹細胞の骨細胞への分化と骨形成能を、ラットの頭蓋骨欠損モデルへの埋植を行うin vivoの実験は遂行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) HApゲルを用いた臨床研究(TR)対象症例全例に骨生成が認められた。さらに創部治癒不全、術後感染、骨吸収の有無を確認した結果、有害事象は認めなかった。症例数に関しては、引き続き継続することによって増やしていく。(2) ラット骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上で培養し、ラット頭蓋骨欠損部に埋植し骨形成の至適条件を検討した。そのデータは予定どおり獲得することができている。研究を進めつつ、論文投稿をおこなう段階に達しつつある。(3) HApゲル上における骨髄間葉系幹細胞の骨細胞への分化と骨形成能を、ラットの頭蓋骨欠損モデルへの埋植を行うin vivoの実験は現在遂行中であり、材料単体との比較のデータを獲得していく段階である。
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今後の研究の推進方策 |
(1) HApゲルを用いた臨床研究(TR)に関しては、継続して症例を増やすことによって、骨充填材料としての有用性を実証していく。それと共に、広く国内外の学会において発表し、企業を含めた臨床試験を行い、製品化へ発展させる。(2) 骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上にて培養し、骨へ分化誘導をさせ、動物に埋植する手法を用いて、骨形成の至適条件を検討する。In vitro における実験を行い、次にラットの頭蓋骨欠損モデルにて解析し、材料単体と比較試験を行う。(3) 顎裂への骨移植モデルとして、ビーグル犬の顎裂モデルを用いる。HApゲル単体及び骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上にて培養したものを埋植して、骨形成の至適条件を決定する。(4) 厚生労働省のガイドラインを遵守した生物学的安全性試験(GLP毒性試験)及び有効性試験を踏まえて、臨床研究の申請及びヒト幹細胞を用いた臨床研究に関する指針申請の準備を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1) HApゲルを用いた臨床研究(TR)に関しては、継続して症例を増やすことによって、骨充填材料としての有用性を実証していく。それと共に、広く国内外の学会において発表し、企業を含めた臨床試験を行い、製品化へ発展させる。そのために、材料の作成、データ解析及び保管、学会発表、論文投稿などに使用する。さらに、臨床試験に発展させるための企業を含めた打ち合わせを行う。(2) 骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上にて培養し、骨へ分化誘導をさせ、動物に埋植する手法を用いて、骨形成の至適条件を検討する。In vitro における実験を行い、次にラットの頭蓋骨欠損モデルにて解析し、材料単体と比較試験を行う。そのために、材料作成、試薬、動物購入、論文投稿などに使用する。(3) 顎裂への骨移植モデルとして、ビーグル犬の顎裂モデルを用いる。HApゲル単体及び骨髄間葉系幹細胞をHApゲル上にて培養したものを埋植して、骨形成の至適条件を決定する。そのために材料作成、試薬、動物購入などに使用する。
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