研究課題/領域番号 |
23592887
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
日浅 恭 広島大学, 病院, 助教 (60304432)
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研究分担者 |
阿部 泰彦 広島大学, 病院, 講師 (00253097)
土井 一矢 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80444686)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インプラント / 診断 / 骨質 |
研究概要 |
即時荷重インプラント治療において,術前の埋入部位の骨強度診断は極めて重要である。骨強度は,骨密度と骨質から評価され,骨密度はハンスフィールドユニット(HU;CT値)で,骨質は血液中の骨代謝マーカーで診断できる。しかしながら,骨強度がインプラントのオッセオインテグレーションの獲得と安定にどのように影響するかは明らかにされていない。そこで,本研究では,骨強度の臨床パラメータであるHU(CT値)および骨代謝マーカー値がISQ値に与える影響を分析することでインプラント治療の成否を左右する骨強度診断の臨床的意義を明らかにし,「骨強度を指標とするインプラント即時荷重診断システムの新開発」を目指すことにした。 平成23年度は,研究開始に当たり広島大学臨床研究倫理委員会へ倫理申請を行い研究許可を得た.その後,インプラント埋入予定患者を対象に,術前検査としてインプラント埋入部位の骨密度と骨代謝マーカーの測定を行った。骨密度は,X線CT撮影装置のデータを立体再構築し専用ソフトウエアで解析し,インプラント外形を関心領域として測定する。骨代謝マーカーは末梢血を試料に骨吸収マーカー( DPD・NTX・CTX・TRACP)および骨形成マーカー( BAP・OC・PINP・PICP)を測定した.通法に従ってインプラント補綴治療を行っい,埋入後から補綴装置装着まで経時的にインプラント体の動揺度(ISQ値)を共振動揺度測定装置(オステル)を用いて測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象がヒトであることから,最初に倫理申請を行う必要があり,この関係で資料採取が予定よりも遅れてしまった.試料採取期間が短くなったこと,社会情勢の関係から対象患者が少なくなっていることなどから,採取できた試料数が研究計画よりも若干少ない.このため,研究全体の進行が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた結果から,骨強度のパラメータである骨密度(HU値の分布)と,骨吸収マーカー( DPD・NTX・CTX・TRACP),骨形成マーカー( BAP・OC・PINP・PICP)それぞれの因子間を分析し,骨強度への影響を分析する。また,埋入したインプラントのISQ値の経時的変化と値に影響する骨強度パラメータを検索,骨強度を指標とするインプラント診断システムの構築し,即時荷重が可能なパラメ-タを明らかにし,「骨強度を指標とするインプラント即時荷重診断システム」を完成する。研究の遅れは,試料の採取期間を延長し,分析と併行していくことで補正可能と思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,研究資料の臨床データ分析用ソフトを購入し,骨密度と骨吸収マーカーおよび骨形成マーカーの因子間を分析し,骨強度への影響の分析を行う予定である.
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