研究概要 |
即時荷重インプラント治療において,術前の埋入部位の骨強度診断は極めて重要である。骨強度は,骨密度と骨質から評価され,骨 密度はハンスフィールドユニット(HU;CT値)で,骨質は血液中の骨代謝マーカーで診断できる。しかしながら,骨強度がインプラン トのオッセオインテグレーションの獲得と安定にどのように影響するかは明らかにされていない。そこで,本研究では,骨強度の臨床 パラメータであるHU(CT値)および骨代謝マーカー値がISQ値に与える影響を分析することでインプラント治療の成否を左右する骨強 度診断の臨床的意義を明らかにし,「骨強度を指標とするインプラント即時荷重診断システムの新開発」を目指すことにした。 平成24年度は,引き続き試料の採取を継続し,被験者31名の血液検査データ,CTデータ,臨床データを集積することができた.これらから,骨強度のパラメータである骨密度(HU値の分布)と,骨吸収マーカー( NTX・CTX ),骨形成マーカー(OC・BALP)それぞれの因子との関連性の分析を行った,インプラントによる補綴治療には骨の治癒期間などを必要とすることから,臨床的予後との関連については引き続き臨床データの蓄積を継続して行う,
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今後の研究の推進方策 |
これまでに集積された対象患者のデータから,骨強度のパラメータである骨密度(HU値の分布)と,吸収マーカー( NTX・CTX ),骨形成マーカー(OC・BALP)それぞれの因子間を分析し,骨強度への影響を分析する。また,これに関与する全身状態のパラメータ因子の検索を行う.また,埋入したインプラント のISQ値の経時的変化と値に影響する骨強度パラメータを検索,骨強度を指標とするインプラント診断システムの構築し,即時荷重 が可能なパラメ-タを明らかにし,「骨強度を指標とするインプラント即時荷重診断システム」を完成する。
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