研究課題/領域番号 |
23592892
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松本 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20315443)
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研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (30287099)
齊藤 一誠 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90404540)
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30200645)
野口 洋文 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (50378733)
齊藤 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30404487)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯形成 / ameloblast / odontoblast / Tgマウス |
研究概要 |
近年歯再生医療の発展が目覚ましいが、再生歯のin vivoでの機能を検討するための歯形成不全モデルマウスが不足している。本研究では、これまでに例がないameloblast やodontoblast 欠損に起因する歯形成不全マウスを独創的な方法で作製することを目的とする。これらのマウスを用いて歯髄幹細胞のin vivoでの機能評価に耐え得るかを検討する。さらに、歯形成不全マウス作製の過程で使用する歯形成細胞特異的に蛍光タンパクを発現する遺伝子導入マウスを用いて、歯形成のメカニズムを解明することを目的とした。歯形成細胞特異的に蛍光タンパクと Cre遺伝子を同時発現する Tgマウスを得るために、transgeneを構築する。ameloblastを特異的に破壊するのに、AM プロモーターを、odontoblast 破壊にはDspp プロモーターを利用する。細胞内で2種のタンパクを同時発現させるため、IRES と呼ばれる特定の配列を蛍光タンパク遺伝子とCre遺伝子の間に配置する。pARICプラスミドはAM promoter + HcRed1 cDNA(赤蛍光タンパクをコード)+ IRES + Cre遺伝子 + poly (A)付加部位からなり、pDEICプラスミド=Dspp promoter + EGFP cDNA (緑蛍光タンパクをコード)+ IRES + Cre遺伝子 + poly (A)付加部位からなる。現在、ameloblast と odontoblast に特異的な蛍光遺伝子/Cre遺伝子を発現するプラスミドの作製を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ameloblast と odontoblast に特異的な蛍光遺伝子/Cre遺伝子を発現するプラスミドの作製に時間を要している。その代替えとして、ALPプロモーターにEGFPとpuromycinを配置したプラスミドを作成した。さらにiPS細胞に遺伝子導入し、puromycinにてセレクションを行い、遺伝子発現の確認をしている。
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今後の研究の推進方策 |
ameloblast と odontoblast に特異的な蛍光遺伝子/Cre遺伝子を発現するプラスミドの作製に全力を挙げて取り組む予定である。Tg マウスの作製と解析:プラスミド作製後、プラスミドからtransgene部分とベクター部分を切り離し、transgene部分をB6C3F1マウス受精卵前核に通法に従い、顕微鏡下にて注入する。顕微注入卵は仮親雌卵管内に移植し出生仔を得る。生後4週目に尾ゲノムDNAを抽出し、PCR検査を行い、Tgの有無の判定を行う。Tgマウスは歯形成細胞特異的に蛍光タンパクを発現しているので、妊娠後期から出生後まで口腔部を光実体顕微鏡で観察し、蛍光の有無を調べる。蛍光が認められた系統については、妊娠後期(Day15-17)のTg 胎仔を摘出し、口腔部を鏃状に切断して1-2 mm 厚のスライスを作製し初代培養して蛍光顕微鏡下で歯形成細胞から発せられる蛍光を観察して歯形成メカニズムを詳細に記録する。ARIC Tg マウスとDEIC Tg マウスとの交配で得られた double Tgマウスからは、ameloblast とodontoblastの両方の細胞の動態を観察する。double Tgマウスの作製とその解析:double Tg マウスの尾のDNAをPCRで検索し、double Tgマウスであることを確認する。CETD-2マウスとARIC Tgマウスとの交配で得られた妊娠後期Day18頃の double Tg胎仔では、ameloblastが特異的に死滅し生後1-7日目のマウスの口腔部に明かな異常が認められる可能性が高いため、ameloblast欠損により引き起こされる病態を組織学的に検討する。CETD-2マウスとDEIC Tgマウスとの交配で得られたdouble Tgマウスにも同様の解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費の使用計画は以下の通りである。物品費として、試薬、抗体などの消耗品とTgマウス作製のためマウス20匹を購入予定である。人件費・謝金として、細胞培養維持の研究補助費を予定している。旅費として、研究打ち合わせと日本小児歯科学会での成果発表を予定している。その他において、学会参加費を計上した。
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