研究課題/領域番号 |
23592892
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松本 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20315443)
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研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 教授 (30287099)
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30200645)
野口 洋文 岡山大学, 医学部, 研究員 (50378733)
齊藤 陽子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30404487)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
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キーワード | 歯形成 / ameloblast / odontoblast / Tgマウス |
研究概要 |
再生歯のin vivoでの機能を検討するための歯形成不全モデルマウスが不足している。本申請では、これまでに例がないameloblast(エナメル芽細胞) やodontoblast (象牙芽細胞)欠損に起因する歯形成不全マウスを独創的な方法で作製することを目的とする。 ameloblastおよびodontoblastの破壊には、amelogenin (AM) プロモーターとdentin sialophosphoprotein (Dspp)プロモーターをそれぞれ用いる。各プロモーターの下流に蛍光遺伝子やCre遺伝子を繋げたプラスミド(前者の場合、pARIC [AM + HcRed1 cDNA + IRES + Cre gene + poly(A) sites] 、後者の場合、pDEIC [Dspp + green fluorescent protein cDNA + IRES + Cre gene + poly(A) sites]])を作製し、このようなtransgeneを導入されたTgマウス(ARICおよびDEIC)を作製する。これらTgマウスとCETD-2マウスとを交配して得られたdouble Tgマウスは、ameloblastあるいはodontoblast特異的にDT-Aが発現し、当該細胞が欠損した歯形成不全マウスになると予想される。 このような歯形成不全マウスの歯欠損部位に歯髄幹細胞(dental pulp stem cells, 以下、DPSCs)を移植し、欠損部分が修復・再生されるかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AM promoter + HcRed1 cDNA(赤蛍光タンパクをコード)+ IRES + Cre遺伝子 + poly (A)付加部位から成るpARICプラスミドを作成した。pDEIC [Dspp + green fluorescent protein cDNA + IRES + Cre gene + poly(A) sites]の作製はまだ成功していない。CETD-2マウス系統は既に作製してある。 また、後にDPSCsを歯形成不全マウスへ移植し、歯の欠損部分が修復・再生されるかを検討するため、先行研究を行った。具体的には、抜去乳歯から採取した歯髄組織をハイドロキシアパタイト/リン酸3カルシウムセラミック粉末と混合してヌードマウス皮下に移植し、移植後1.5か月目に採取した。この移植片は通常の組織学処理を施され、現在、歯の形成状況を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定は ①pARICプラスミドとpDEICプラスミドからtransgene部分とベクター部分を切り離し、transgene部分をB6C3F1マウス受精卵前核に通法に従い、顕微鏡下にて注入し、Tgマウスを作製する。 ②CETD-2マウスとARIC Tgマウスあるいは DEIC Tgマウスとを交配し、得られた double Tgマウスを用いて歯形成不全の有無についての解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費使用計画は以下の通りである。 物品費:遺伝子工学実験、細胞工学実験に伴う細胞培養試薬、分子生物学用試薬やTgマウス作製のための動物購入などの消耗品は、本研究遂行上必須である。 旅費:国内の各種学会への発表・参加するための旅費と資料収集や新潟大学への研究打ち合わせのための旅費も計上している。 謝金:細胞培養維持の研究補助費を予定している。また、論文作製のため論文の校閲とジャーナルへの論文投稿費を計上している。
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