研究課題/領域番号 |
23592893
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
村上 和宏 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60569078)
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研究分担者 |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
堤 定美 日本大学, 歯学部, 教授 (00028739)
姜 有峯 日本大学, 歯学部, 研究員 (40437273)
杉浦 勉 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60398435)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯科インプラント / 即時、早期荷重 / オッセオインテグレーション / 微小動揺 / 有限要素法 / 動的荷重 |
研究概要 |
即時および早期荷重のインプラントのオッセオインテグレーションの獲得のためには荷重による微小動揺の大きさが問題となる。本研究においてはインプラントの荷重による微小動揺の実測法を確立し、それによる即時・早期荷重下のオッセオインテグレーションの獲得のための微小動揺の許容限を解明するのと同時に治癒期間中の微小動揺による周囲骨の改変現象を評価することが目的である。現在までに荷重試験を開始する前にウサギ脛骨にbicorticalにチタン製のインプラントを埋入し、この脛骨をCTにて撮影した。この画像を骨強度評価ソフトウェアーを使用し、有限要素モデル化し、埋入トルク値の違いによる荷重の大きさとインプラントの変位量をシミュレーションした。これによりウサギの脛骨では埋入トルク値を20N・cmまでに抑えることにより10Nほどの荷重でも150μm以上の微小動揺が得られることが理論上は可能であることが推測された。CT画像によって作成された有限要素モデルにより計算された変位量と力学実験の変位量とが一致または相関関係が得られれば、有限要素解析により術後の変位量が予測することが可能になり、いままで特殊な方法でしかインプラントの安定度を評価できなかったことが、CT画像のみから評価することができ非侵襲的評価法の確立に寄与することが考えられ、今後のインプラントの予後をCT撮影によって予測可能になることが考えられる。これらの有限要素の解析の結果をもとに今後荷重試験を行い、これを実証するのと同時にオッセオインテグレーションの獲得のための微小動揺の許容限と治癒期間中の微小動揺による周囲骨の改変現象を調べる。インプラント埋入したウサギ脛骨に荷重を加えて、レーザー変位計によるインプラント微小動揺の測定が可能であることを確認しており、生体での荷重実験においての微少動揺を実測することが可能であることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在まで荷重による変位量を3次元有限要素法にて計算上の変位をもとめた。そのためウサギ生体による荷重試験による変位を測定しなければならない。ウサギ脛骨に動的荷重をあたえる場合、荷重の与え方により容易に骨折を起こすため、荷重装置の設計が重要になる。また変位を正確に測定するためにレーザー変位計の設置法が重要になってくる。そのためにこれらの荷重装置の製作およびレーザー変位計の設置に時間がかかっており、現在実験の進行が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
荷重装置が完成したのち、ただちにウサギ脛骨にインプラントを埋入し動的荷重による即時荷重を加えていく。10頭のウサギに対して荷重試験を行っていく。10頭の試験にて十分なデータが得られない場合はさらに実験頭数を増やしていく。荷重試験を年内のめどに行い、採取した資料をCT撮影および組織標本の作製を行い、25年度には学会報告、さらに論文発表をめざす。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に荷重装置およびレーザー変位計の購入に必要な研究費が未購入のために未使用であるが、これのほとんどは装置の購入費に当てられる。次年度の研究費については主に動物実験を行う上での、実験動物、インプラント、実験に使用する薬剤、さらには採取した試料の標本作成費に大部分が当てられる。
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