研究概要 |
銀系バイオガラス(SiO2-Na2O-CaO-P2O5-Ag2O)を電気炉にて作製し、粉砕してガラス粒子を作製する。レジンマトリックス(Bis-GMA, TEGDMA, HEMA系)を調整して、ガラス含有レジン複合体を作製する。それらを各種試験溶液に一定期間浸漬して、形成された石灰化物の解析、溶出イオン濃度の測定を行うとともにヒト象牙質粒を用いたMMP assayにより象牙質基質から放出されるMMP活性を抑制するガラス組成を模索した。 試験試料を長期浸漬後、試料表面に形成された石灰化物の定量を行うとともに、形態観察(SEM, TEM)および分子構造の解析(EDX, MOLE, XRD, XPS)を行い。さらに試験溶液へ溶出したイオン濃度の測定(ICP)を行った。試験歯として抜去ヒト小臼歯を使用する。粉砕機を用いて歯冠・歯根象牙質から粒子径約50 μのDentin Powder(象牙質粒)を作製する。80 mg・Dentin Powderを180 μL・緩衝液で調整後、20 μL の蛍光色素によりラベルされたコラーゲン線維を用いて、各種条件で象牙質基質から放出されるMMP活性を比色計にて測定した。各種条件にて銀系バイオガラスを作製・調整して、象牙質基質由来のMMP活性の抑制効果を比較・評価した。 銀系バイオガラスにより、有効にMMPを抑制することができた。さらにそれら生体安全性について研究を継続している。
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