研究課題
移植後の蛍光細胞から発現される蛍光の体内透過性をより強力にする目的で、赤色蛍光tdTomato遺伝子導入TGマウスのホモマウス骨髄より間葉系幹細胞(MSC)の採取を試みたが、tdTomato遺伝子導入TGホモマウスは3~4週齢以降の生育が同ヘテロTGマウスやWTマウスと比較して著しく劣ること(原因は調査中)がわかり、tdTomatoが強発現しすぎると細胞毒性が高まる等の問題が起こるものと推察された。そこで、このtdTomatoマウスからのMSC株の作製は、そのヘテロマウス骨髄由来細胞で行うこととし、同様な目的で緑色蛍光EGFP遺伝子導入TGホモマウス骨髄由来MSCの細胞の不死化を試みた。tdTomatoマウスと同様にIPTG法で作製されたEGFP遺伝子導入TGホモマウスはtdTomatoホモマウスと異なり、WTマウスと同様に3~4週齢以降も問題なく生育したため、EGFPホモマウス由来MSCの株化を試みた。一方、我々の骨髄細胞培養系では、MSCの増殖をサポートする別の細胞集団があり、現在この細胞の性質について調査している(投稿準備中)。また、このMSCサポート細胞とMSCを異種蛍光マウスよりそれぞれ別に採取して混合培養すると、これらの細胞の相互作用を異種蛍光でビデオトレースすることによりリアルタイム観察することができた(投稿準備中)。この事実より、2種の細胞をそれぞれ赤と緑の異なる強蛍光マウスより採取すれば、これらの細胞の移植後のin vivoでの相互作用について観察しうるものと期待された。以上のように、我々の課題であったIPTG法による多色種強蛍光発現マウス由来MSC細胞株の作製は予定通りに進み、in vitroレベルでの細胞間相互作用の観察が可能であることが明らかとなった。現在、in vivo移植後の多色種強蛍光発現MSCの体内動態について調査を進めているところである。
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