研究課題/領域番号 |
23592898
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
石原 真理子 明海大学, 歯学部, 講師 (50095329)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | QSAR |
研究概要 |
「研究の目的」は、半経験的分子軌道法による歯科薬剤/材料の毒性評価と新規物質のデザインのタイトルで歯科薬剤/材料などの毒性や生物学的活性能と化学構造との相関関係(定量的構造活性相関)を従来の方法、絶対ハードネス概念および三次元での分子の形を用いて検証し、さらに新規物質のデザインをすることである。「研究計画」は、フェノール化合物の細胞毒性、抗菌性の生物学的評価はHanschら(J Am Chem Soc)、methacrylates の毒性の詳細はAutiau ( J Dent Res )にデータベース化されている。そのデータをもとにmethacrylatesの定量的構造活性相関 (QSAR)を以下の活性子を用いて行う。最高被占軌道エネルギー(EHOMO)、最低空軌道エネルギー(ELUMO)、chemical hardness(η)= 1/2(ELUMO-EHOMO)、electron negativity(χ)=-1/2(ELUMO+EHOMO)、分子の立体形。上記の研究と並行して、口腔癌細胞に対して細胞傷害活性が予測される新規化合物(薬物)の構造活性相関をPM5法で行うことである。「研究成果」フェノール化合物の細胞毒性、抗菌性の生物学的評価のデータをもとにmethacrylatesの定量的構造活性相関 (QSAR)を以下の活性子を用いて行った。最高被占軌道エネルギー(EHOMO)、最低空軌道エネルギー(ELUMO)、chemical hardness(η)= 1/2(ELUMO-EHOMO)、electron negativity(χ)=-1/2(ELUMO+EHOMO)、分子の立体形。更に口腔癌細胞に対して細胞傷害活性が予測されたトリハロアセチルアズレン類の新規化合物(薬物)の構造活性相関をPM5法で行いトリハロアセチルアズレン類の新規化合物を42種類デザインした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度はフェノール化合物の細胞毒性、抗菌性の生物学的評価はHanschら(J Am Chem Soc)、methacrylates の毒性の詳細はAutiau ( J Dent Res )にデータベース化されているので、そのデータをもとにmethacrylatesの定量的構造活性相関 (QSAR)を以下の活性子を用いて行うことであった。最高被占軌道エネルギー(EHOMO)、最低空軌道エネルギー(ELUMO)、chemical hardness(η)= 1/2(ELUMO-EHOMO)、electron negativity(χ)=-1/2(ELUMO+EHOMO)、分子の立体形を求めた。更に24年度に予定していたフェノー化合物についても一部計算を行った。また上記の研究と並行して、口腔癌細胞に対して細胞傷害活性が予測される新規化合物(薬物)の構造活性相関をPM5法で行い、一部デザインした。
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今後の研究の推進方策 |
「平成24年度」平成24年度は23年度に得られた結果を基にして、フェノール化合物の研究を更に行う。活性子としては、EHOMO、ELUMO、η、χ以外にフェノールのO―Hの解離エネルギー(BED)も計算し活性子とする。この領域はHansch が詳細に細胞毒性ばかりでなくアポトーシスの評価も行っているが、Hansch はBDEをLog Pのみを活性子としていてη、χ、分子の立体項については検討していない。したがって新しい知見がみつかるかもしれない。疎水性に関連する因子としてvan der waals 半径、双極子モーメント、水和の安定性などについて検討する。さらに上記の研究と並行して、口腔癌細胞に対して細胞傷害活性が予測される新規化合物(薬物)の構造活性相関をPM5法で行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
「平成25年度」は広範囲にわたる置換基データベースを使用し、各物質性値算出パラメータから予測するACD/Structure Design Suiteソフトウエア(25年度申請)を用い、新規物質をデザインする。また平成24年度の結果を基にして、口腔癌細胞に対して細胞傷害活性が予測される新規化合物(薬物)のデザインを行う。さらに得られた結果を取りまとめ、研究の総括と、成果の発表を行う。
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