研究概要 |
新規開発の酸化チタンMicro-nano hybrid surfaceへの紫外線照射による光触媒効果を基礎研究から臨床応用へと展開するために、平成24年度はスパッターによる酸化チタン粒子の蒸着時間に比例して酸処理micropitサーフェイス上に形成されるnanonodulesの大きさ、主に0,100,200,300,400,500nmの直径サイズと紫外線による光触媒効果について実験した、23年度に続き、本年度はラット骨髄由来の骨芽細胞用細胞を用いて培養実験を行った。実験項目は1)細胞接着・増殖試験 2)染色による形態学的評価 3)骨形成に関与する分化因子ALPについて検討した。その結果いずれの項目においてもnanonodules の大きさが300nmの表面を持つチタンサーフェイスが他のサイズと比較して紫外線(UVA+UVC)照射による影響に対し有意に高い値を示し、骨芽細胞の足場にとって300nmの大きさ・形態が接着、増殖、分化に最適であることが判明した。これらのデータを裏付けるように細胞骨格の発達による細胞の伸展並びに細胞膜に局在する接着班の発達を有する細胞突起の発達が観察され接着後早期に細胞の伸展をきっかけに増殖から骨形成の分化までを加速度的に増強することが示唆された。ほぼ予想された通りの結果と紫外線照射なしのデータとも一致していることから現在動物実験のためのサンプル(ミニインプラント)の調整を行い早めに動物実験に着手できるよう準備に取り掛かっている。
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