• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

軟組織損傷治療・再生医療を目指した唾液蛋白質ヒスタチンの作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23592906
研究機関松本歯科大学

研究代表者

今村 泰弘  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00339136)

研究分担者 雪田 聡  松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80401214)
藤波 義明  松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80392801)
高橋 直之  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード唾液蛋白質 / ヒスタチン
研究概要

歯周病の原因には環境要因があり、特に歯周病原因菌の刺激は硬・軟組織の破壊を誘導する。これらは歯周組織細胞間における複雑な相互作用により惹起され、慢性の炎症を伴う。また、歯周病は心臓血管疾患、糖尿病などの全身疾患と密接に関係することが知られている。 唾液は一日に1~1.5リットル分泌され、口腔内の恒常性維持や嚥下、咀嚼などと関係する。また、唾液の成分は歯周病、う蝕、口腔乾燥症、カンジタ症、ウイルス感染、癌などの口腔疾患と高い相関性がある。唾液成分の1つであるヒスタチンは唾液中に比較的多く存在し、カンジダ菌や歯周病原因菌などに対する抗菌作用、歯周病原因菌由来プロテアーゼ・コラゲナーゼ阻害作用、う蝕原因菌の増殖抑制作用を持つ蛋白質である。これまでに、我々は歯周病原因菌由来リポポリサッカライド刺激によるヒト歯肉線維芽細胞(HGFs)の炎症性サイトカイン産生亢進について明らかにした。また、ヒスタチン遺伝子は唾液腺由来細胞で特異的に発現・制御されることが判明した。ヒスタチンは自然免疫関連因子であるが、ヒスタチンの宿主に与える生理的意義はこれまで殆ど明らかにされていなかった。そこで我々は、ヒスタチンがHGFs内に取込まれ、熱ショック蛋白質(HSP)の1つであるHSC70と結合すること、この複合体と負の細胞周期制御因子p27Kip1が結合してHGFsのG1→S期の移行を促進させ、細胞増殖や生存に関わることを明らかにした。 細胞周期は、それに関わる様々な因子のユビキチン/プロテアソームによる分解を受けて制御されることが多い。そこで、in vitro及びin vivoにおいて、ヒスタチン/HSC70/p27Kip1複合体のユビキチン化への影響やこの複合体に結合する因子の探索について現在詳細に検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

難解な実験系の条件検討や予備実験に思いのほか時間を要したため、やや遅れている。しかしながら、これらの実験において、データが得られてきているため、進捗するものと考えている。

今後の研究の推進方策

今後の研究を円滑に推進するために、特に以下のことに重点をおき遂行する。 データを得る上で実験の条件検討などに費やす時間が多いのは致し方ないが、出来る限りこの時間を短縮するよう工夫する。例えば、今以上に様々な研究者とのディスカッションを行い、また、学会参加や文献による最先端の情報を積極的に収集することで、得られた情報や知識を本研究課題の実験に生かし、推進させる。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の助成金がある状況となったが、概ね計画通りの研究費使用となっている。注文時に購入予定試薬の国内在庫が無く外国からの取り寄せに思いのほか時間がかかり、納期は年度末を越える状況となったが、当該研究費の使用は次年度早々終了することとなる。次年度の研究費の使用計画は、交付申請書に基づき行われる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 唾液ヒスタチンによる熱ショック蛋白質のTLR2シグナル活性化抑制2011

    • 著者名/発表者名
      今村 泰弘
    • 学会等名
      第53回歯科基礎医学会学術大会ならびに総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜市)
    • 年月日
      2011年10月2日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi