研究課題
関連学会での情報収集および文献的考察から以下のことが明らかになった。皮膚や頭蓋骨において透過性が高い780~880nmの近赤外線光は、頭皮上から大脳の表面に到達して血液中におけるHbの光吸収特性を経て活動中の脳領域エネルギー代謝を映しだす。任意の様々なタスク(視覚負荷、筋肉荷重など)によって2次的に増加する現象を捉えているのがfNIRSの原理である。fMRIに比べてfNIRSは運動時に賦活化される大脳皮質部位と活性化のタイミングを高い時間分解能で計測でき、自然な姿勢での動作時脳活動計測に優れ、被験者の拘束性が低い事、再現性が高い事、検査に協力が得られにくい症例(小児や乳児、有病者など)でその有効性が高い。こうしたことからも、本研究の意義が改めて示された。標準タスクを以下のように決定し、現在、その再現性を確認を継続してる。この標準タスクは口蓋裂患者の鼻咽腔閉鎖機能を客観的かつ再現性をもって評価することを念頭に置き策定したものであるが、現在の進捗からは再検討する可能性もある。1.鼻咽腔閉鎖機能検査:(1)ブローイング検査(ハードおよびソフトブローイングを各15秒×3回)、(2)音声言語検査(母音と子音をともに単音復唱×3回、当院言語治療室で使用の課題文朗読×3回)。2.構音検査:構音の判定に関しては、単音と単語、文章音読なし復唱、会話について、日本聴覚言語士協会の系統的な構音判定11に従い、声門破裂音、口蓋化構音、咽頭破裂音、咽頭摩擦音、鼻咽腔構音、側音化構音に分類して、その際のfMIRSを記録する。(⇒口蓋裂言語の評価に十分な経験を持つ本院言語治療室の言語聴覚士2名が判定)
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)
ournal of oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology.
巻: 26 ページ: 22-27
日口蓋誌
巻: 38(1) ページ: 104-112
Mech Dev.
巻: 130(9-10) ページ: 482-492
Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol.
巻: 116(2) ページ: e128-133