研究課題/領域番号 |
23592918
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
加藤 文度 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60204492)
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研究分担者 |
渡邉 賀子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10444358)
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キーワード | 口腔癌 / 樹状細胞 |
研究概要 |
樹状細胞は種々の免疫反応において、キーパーソンの役割を果たしている。口腔癌へも多くの樹状細胞が浸潤してきており、腫瘍への免疫反応に大きく関与していると考えられる。腫瘍が成立している時点では、immune evasion mechanismが働いていると推定されるが、反対にtumorに対するimmunityも残存し、双方のバランスにより、腫瘍の進行が左右されるとされ、これに樹状細胞が関わっていると考えられる。今回、口腔癌における樹状細胞の役割を解析することを目的とし、実験をすすめている。 現在、口腔扁平上皮癌において、樹状細胞が発現する補助刺激因子や免疫抑制の成立に関与する酵素であるIndoleamine2,3-dioxygenase (IDO) の解析をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの、口腔扁平上皮癌の臨床検体のパラフィン切片を用いた免疫組織染色で、IDO+樹状細胞の局在を明らかにすることができている。また、IDO+樹状細胞の周囲には、T細胞の浸潤を認め、IDO+樹状細胞とクラスターを形成することを明らかにした。 現在は、遺伝子レベルでの解析をすすめているところである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、免疫組織染色を行い、IDO陽性樹状細胞の周囲にどのような種類の細胞浸潤がみられるかをさらに検討していく予定である。また、組織染色が確認された細胞マーカーに関し、腫瘍組織標本の切片からmRNAを調整して、real-time PCR解析により、mRNAレベルでの発現を確認していく。また、予後との関係なども検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫組織染色に多くの時間を費やしたため、予定通り、研究をすすめることができなかった。 引き続き、免疫組織染色、遺伝子レベルでの解析をすすめていく。 本研究で使用予定の設備は、当研究室および共同研究施設に完備されているため、必要な研究費は主に消耗品である。免疫組織染色、FACSなどでは、各種細胞マーカーに対する抗体が必要となる。また、real-time PCR解析では、遺伝子工学関連の試薬が必要となる。最終的には、研究成果を発表するための論文投稿料が必要となる。次年度へ補助期間を延長し、引き続き研究をすすめていく予定である。
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