研究課題/領域番号 |
23592919
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
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研究分担者 |
田川 俊郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30046346)
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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キーワード | 悪性黒色腫 / Phosphodiesterase |
研究概要 |
申請者らは以前、ホスホジエステラーゼ (Phosphodiesterase;PDE)1シグナルと悪性黒色腫の増殖・運動能に関連があることを発見した。そこで、PDE1の阻害作用も有し、肺高血圧症や勃起不全治療薬としてすでに臨床応用されているPDE5阻害剤(Sildenafil)が、悪性黒色腫の分子標的薬として応用可能かを計画した。2011年、Cancer Cellに、皮膚由来悪性黒色腫細胞ではB-rafの特定部位に変異があるとPDE5発現が抑制され、浸潤が促進することが報告された。しかし、皮膚由来悪性黒色腫細胞より予後不良である口腔由来悪性黒色腫では未だ不明なため、われわれは、当科で樹立・継代している4種類の口腔由来悪性黒色腫細胞でB-rafの特定部位の変異とPDE5発現を検討した。4種類ともB-rafの特定部位の変異は認めなかったにも関わらず、PDE5発現は抑制されていた。次に、cGMP-stimulated PDE (PDE2)の細胞内局在を免疫染色で検討したところ、細胞質全体に認めた。また、細胞分画を行ったところ、PDE2活性は、ほとんどsupernatantに認めた。SildenafilのPDE1阻害作用による影響について、PDE1が発現している口腔由来悪性黒色腫MAA細胞で行ったところ、Sildenafilにより運動能は抑制され、cGMP analogでも運動能が抑制された。このことから、口腔由来悪性黒色腫MAA細胞の運動能には、cGMP-PDE1シグナルが関係する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大幅な研究計画の変更もなく、おおむね順調に進展している。前年度までの成果については、平成24年5月、ドイツ口腔外科顎顔面外科学会の招待講演にて発表した。今後も、日本口腔外科学会等にて成果を報告していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの研究は順調に進んでおり、次年度も計画に従って進める予定である。悪性黒色腫の分子標的治療薬が承認されたことを受け、この分野は現在、非常に注目されて競争が激化している。今後も、より効率的な研究方法を検討していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の購入に関して、キャンペーン価格での購入や、業者との交渉を行った結果、当初の予定よりも価格をやや低く抑えることができた。ただし、次年度は価格が上昇する可能性がある。また、より効率的に実験を進めるために、新しく開発された試薬の使用にも今年度の残金を使用する。
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